今回行ってきたのは佐伯市の「鶴御埼灯台」と「丹賀砲台園地」。
ともにかつては軍の要塞だったこの両スポット。現在は戦時中の面影を残しつつも、灯台や記念ドームが建設され、写真スポットとして人気を博しています。
遠き時代と平和に思いを馳せながら、大分の名所を撮影してきました。

鶴御埼灯台

一つめのスポットは「鶴御埼灯台」。

九州最東端に位置する鶴御埼自然公園にある灯台で、絶壁に建設されています。元日には九州で一番早い日の出を見ようと多くの人が訪れるんだとか。

鶴御崎は古くから豊予海峡（豊後水道）を守るための軍事上の要衝であり、1894年に海軍望楼が設けられました。第二次世界大戦中には要塞化されて、鶴見崎第一砲台が設置されました。現在も戦時の名残の地下壕などが多く残っています。
その後、灯台が建設され、1981年に初点灯。豊後水道を行き交う船舶の安全を見守っています。

駐車場から鶴御埼灯台までは徒歩で5分ほど。道中はグリーンに囲まれ、暑い夏の日でも避暑をしながら歩けそう。植物たちもキラキラしています。

草木の生い茂った道を抜けると、高さ14メートルの鶴御埼灯台が見えてきます。灯台の光は対岸の四国まで届くそう。

断崖絶壁の上に立つ灯台は圧巻。

少し先の展望台からの景色はまさに絶景！海の向こうにはうっすらと四国が見えます。

この展望台、実は「幸せの鐘」という“恋人の聖地”の一つなんです。2人の永遠の愛を誓って南京錠をかけることができます。

展望台から見える灯台は山バックでまたかっこいい！

四季折々の花が美しく咲くことでも有名な鶴御埼灯台。季節ごとにツバキ・ツツジ・ノジギク・デイゴなどの花を楽しむことができます。

この日は運よく蝶も撮影することができました。

展望台にある螺旋階段を降りた先では、以前要塞だった頃の名残を見ることができます。この空間でポートレートを撮るのも良さそうですね。

帰り道でも灯台を見ることができました。遠くから撮影すると断崖絶壁に建設されているのがよくわかりますね。

丹賀砲台園地

次に向かったのは「鶴御埼灯台」から車で20分ほどの「丹賀砲台園地」。

丹賀砲台も豊後水道を守るために建設された豊予要塞の一つで、当時は山頂に巡洋艦の伊吹に搭載されていた「カノン砲」が設置されていました。しかしその後、カノン砲の試射時に暴発が起きてしまい、数多くの犠牲者を出すという痛ましい事故が起きました。現在は砲台下の駐車場脇に慰霊碑があり、分厚い鉄筋コンクリートにも当時の傷が刻まれています。
今は自由に撮影ができますが、要衝であるこの一帯は終戦まで写真撮影が禁止されるなどの様々な制限を受けていたんだとか。

山頂へは伊吹と名付けられたケーブルカーに乗っていきます。以前はケーブルカーの代わりにベルトコンベアが設置されており、重い砲弾の運搬に使われていたそうです。

入り口には以前使われていた弾丸が展示されていました。

ケーブルカーから登った先には「火薬庫」や「冷却水槽」などがあり、外よりも気温が低く、ひんやりした空間に包まれています。

さらに奥へ進んでいくと砲台があった空間が広がっています。

現在はドームで囲まれており、螺旋階段とドームの骨組みが織りなす空間は幻想的でまるで映画のセットの中に飛び込んだよう。テレビCMやミュージックビデオなどに使用されているのも納得ですね。

螺旋階段を登った先には展望公園があり、大島や佐伯湾が望めます。
このドームは砲塔内部の爆発の跡を保護するためなんだとか。

今回は佐伯の写真スポット二つを巡り、歴史に思いを馳せ、日常から少し離れた幻想的な空間を堪能しました。
佐伯市にはこのほかにも多くの海水浴場や藤河内渓谷など、魅力がたくさん。カメラを持って佐伯市にお出かけはいかがでしょうか。

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