人生初の挫折が教えてくれた、新たな第一歩

「とにかく剣道の事しか考えてなかったですね」
小学1年生の頃から剣道を始め、生活のすべては剣道一色だったと話す河野さん。高校でも大分県でトップクラス、大学でも全日本の大会で入賞を果たすなど輝かしい成績を残してきた腕前の持ち主です。そんな河野さんが就職について動き出した頃、転機は訪れました。
「いくつかの企業から推薦もいただいていたのですが、大学を留年することになり、全部が白紙になってしまったんです」。
これまで剣道、スポーツの世界で順調に歩んできた人生が一変。ゼロから自分の進む道を探さなくてはいけなくなりました。近い将来、当時地元にいた彼女(現在の奥様)との結婚も視野に入れていた河野さんは、初めての就職活動に挑むことになったのです。

ひとつの出会いが運命を変えるきっかけに

県外での就職も考えたと当時を振り返りますが、地元杵築でいちご農家を営む両親や地元で働く彼女の存在もあり、帰郷を決意。大分市内で開催された就職合同説明会へ足を運び、出会ったのが木元電設の林社長でした。
「とにかく話しやすくて魅力的でしたね。フランクに、こちらの話を上手く引き出してくれるコミュニケーション能力には脱帽でした」。
林社長の人柄に惹かれた河野さんは木元電設への就職を目指し、見事入社。しかし当時は、電気や機械関係が好きなわけではなかったといいます。
「好きなことは剣道だけだった僕ですから（笑）他に希望した仕事もなかったですし、社長という人に惹かれただけでした」。
少しの不安を抱えながらも入社後は営業担当として、当時部長だった林社長に仕事のいろはを学びました。未経験の世界でしたが、仕事をイヤになったことは一度もないとキッパリ。
「忙しい毎日ですが地元で働くことで、自分の身近な人たちの手助けができることが何よりも嬉しいです」。
電気や機械、通信など木元電設の手がける業務は私たちの生活に密着しているものばかり。自分が通っていた学校や実家のいちご農家、生まれ育った町のあらゆる人と仕事を通じ再会し、その人たちを助けられることに一番の感動を覚えると笑顔で語ってくれました。

地元で働くことで得られる感動が、働く喜びへ！

幅広い業務を請け負う木元電設。河野さんも営業担当とはいえ、ときには現場に出て、作業をすることも少なくないといいます。
「本当に多くの業務内容があるので、実際に現場で経験しながら学ぶことが多いです。業種の多さから勉強することも増える一方ですが、まずは“知ること”が大切だなと感じています」。
入社から今まで、日々勉強だと話す河野さん。それでも仕事が大変だと感じたことはなく、「好きでやっていますからね」とにっこり。その言葉の裏には、多くの想いが見えます。ただ社長を信じ入社を決めた河野さんが“好きなだけです”と言えるまでの10年間。それは会社や上司、共に働く仲間たちと一緒につくりあげた「絆」によるものなのだろうと思いました。

またこれからは、自分に手を差し伸べてくれた会社と社長に恩返しがしたいといいます。地元の人たちからの感謝の言葉、期待される気持ちが何よりのやりがいだと話す河野さんのこれからがとても楽しみです！

学生さんへのメッセージ

学生時代は剣道しかやってこなかった僕ですが、色々な経験をして今があります。学生のみなさんは将来の準備をすることも大切だと思いますが、社会人としては入社後に学び、覚えることがほとんどです。素直な気持ち、やる気さえあれば、下準備が足りなくても十分に成長することができると思います。また、社内外問わず信頼できるロールモデルを見つけることも大事だと思います。その人を道しるべに進んでいけば、困難な出来事も乗り越えられます。僕にとっては社長がそんな存在です(笑)。コミュニケーション能力と、聞く力を大切にしながら、よりよい社会人生活が送れるよう一緒に頑張っていきましょう！