おおいたをたのしむ
2021年12月07日
世界初!? 水中鍾乳洞の水風呂にダイブするサウナ体験♨
きてますねー、サウナブームが。サウナというと、なんとなーくおじさんのイメージがありますが、サウナって実はすごく健康的で、疲労回復やストレス解消、新陳代謝が良くなるなどさまざまなメリットがあり、今や若者も女性もこぞってサウナにハマる人が急増中なのです。
今、豊後大野市がサウナで注目を集めているのをご存じですか? しかも日本初、いや世界初かもしれない、「水中鍾乳洞で楽しめる珍しいサウナ」があるというのです。
そんなわけで、サウナ初挑戦の大学生とともに大分のサウナの聖地、豊後大野市へと向かいました。
稲積水中鍾乳洞に到着!
大分市内を車で出発し、中九州自動車道を利用して1時間ほどでたどり着く場所にある「稲積水中鍾乳洞」。3億年前の古生代に形成され、30万年前の阿蘇火山大噴火の火砕流により水没し現在の姿となった、日本最大級で世界的にも珍しい水中鍾乳洞なのです。
(鍾乳洞について詳しくはこちら)
こちらが今回体験してくれた岩元涼さん(大分大学経済学部の3年生)です。
「なぜこんなにサウナが話題になっているのか、実際に体験してみたいと思います!」と、やる気十分。
テントサウナの前で待っていたのは支配人の青松善輔さんです。
「今日の午前中も女性の大学生2人組がサウナ体験に来ていましたよ」とのこと。さすが、敏感な大学生はすでに来ていますね。豊後大野市は今やサウナー界隈で一度行ってみたい場所として話題になっていて、九州だけでなく全国から豊後大野市のサウナをめがけてやってくるお客さまもいるとのこと。足を運びたくなる理由がどこにあるのか、ますます気になります。
温泉の出ない豊後大野市で「あえてサウナ」
大分県は温泉の源泉数、湧出量が日本一であることから「おんせん県おおいた」と銘打っていますが、豊後大野市には温泉がありません。しかし、ユネスコエコパークやジオパークの両方に九州で唯一選定されるほどの豊かな自然があることが、豊後大野市の魅力。「温泉のないまちで、おんせん県の中でも個性的な文化を生み出そう!」と、有志がアイデアを持ち寄りスタートしたのが豊後大野市の自然をフルに生かせる「アウトドアサウナ」だったのです。2021年7月30日に市として「サウナのまち」宣言をし、地域と連携してこのアウトドアサウナを盛り上げる「おんせん県いいサウナ研究所」という協議会も立ち上がりました。
豊後大野市のサウナの特徴は、開放感あふれる大自然の中でサウナに入り、水風呂には全国名水百選に選ばれた白山川を利用しているということ。稲積水中鍾乳洞をはじめ、LAMP豊後大野、ロッジきよかわ、カフェパラム、リバーパーク犬飼の5施設でそれぞれの特徴あるサウナが楽しめます。
ポイントを予習したところで持参した水着に着替え、ポンチョとサウナハットを借りて、いざサウナへ!
テントサウナ→水風呂は「水中鍾乳洞」へダイブ!
稲積水中鍾乳洞の噂のテントサウナがこちら!
まずテントに入り、椅子に座りましょう。そして、目の前のストーブの上の熱したサウナストーンに水をかけて水蒸気を発生させることで、体感温度を上げて発汗作用を促す「ロウリュ」という入浴法で汗を流します。
さらに、ロウリュで発生した蒸気を大きなうちわであおぎ熱風を浴びる「アウフグース」で一気に汗が吹き出し、サウナ特有の爽快感へと導いてくれます。体が温まり、全身の血管が広がることで血のめぐりが良くなるわけです。
ご一緒したサウナーの方々に囲まれて「名前なんていうの?」「出身どこなの?」「え、福岡!」なんて会話が繰り広げられながら、じっと15分。
岩元さんが「うわ!やばっ!急にきましたー!」と、汗が滝のごとく吹き出し、ぼとぼとと滴り落ちてきた様子。
「よし、水風呂に行きますよー!」と、青松さんから誘導されてテントから出てきた岩元さん、若干放心状態。声をかけても無言です(笑)
竹林を抜けて30秒ほどで水中鍾乳洞の水風呂へドボン!!
まるで宇宙に浮遊するかのような水中鍾乳洞の神秘的な水風呂でクールダウンします。
「ひいいいぃぃぃぃーーーーーー!」
岩元さん、16℃の水風呂に絶叫。
先輩サウナーの皆さんは「はぁーーー気持ちいいーーー」と、それぞれの感嘆の声が鍾乳洞に響き渡ります。
岩元さんに水風呂の感想を聞いてみると「水がやわらかく感じます! そしてなにより鍾乳洞の美しさに感動です! …が、なかなかの冷たさです」と、慌ててあがっていくのでした(笑)
水風呂→外気浴で「ととのう」
水風呂の次は外気浴へ。テントの隣にあるウッドデッキで青空を仰ぎながらの一休みはなんとも気持ち良さそう。すぐそばから滝の音も聞こえてきます。
この休憩がいわゆる「ととのう」時間です。
「すごくリラックスできて、頭がすっきりするような感覚です」と、岩元さん。
岩元さんが隣に寝そべるお兄さんに声をかけてみました。
- 岩元さん
- 「サウナにはよく来るんですか?」
- お兄さん
- 「はい。半年前まで福岡にいたんですけど、サウナが好きすぎてここに移住してきたんですよ」
…豊後大野市のサウナ、おそるべし。気持ち良さをもたらすだけでなく、豊後大野の人口を増やす力も持っているとは。うーん、大分の魅力の一つとしてサウナは効果がありそうですね。
「中途半端に汗をかくと後から体が冷えてしまうので、ちゃんと温まって水風呂に入らないとだめですよ~」と、青松さんからのアドバイスを受け、2周目のサウナへ。サウナ→水風呂→外気浴を3回繰り返すのがサウナの流儀だそう。
進化し続ける水中鍾乳洞のアウトドアサウナ
初めてのサウナ体験を終えて、岩元さんの感想は…
- 岩元さん
- 「楽しかったです!!」
- 青松さん
- 「僕も楽しかったです! ハマるでしょ?」
- 岩元さん
- 「いいサウナがあるぞって広めて友だちも連れてきます」
- 青松さん
- 「サークルを作ったらどうですか? 豊後大野市で5カ所めぐれるし、合宿できる宿泊施設もありますよ!」
- 岩元さん
- 「それはいいですね!」
- 青松さん
- 「若い人にもサウナの楽しさを知ってもらいたいです。ぜひ稲積鍾乳洞で初めてのサウナ体験をしてもらって、ここでハマってもらいたいです!」
- 岩元さん
- 「贅沢ですねー!」
サウナ後の清々しい表情の岩元さん。青松さんとも意気投合してサウナトークに花が咲きました。
最後に、青松さんにお話をお伺いしました。水中鍾乳洞のサウナ、これからどんな展開がありますか?
「とにかくここに来れば非日常を味わえるような、ワクワクする場所にしていきたいんです。今実験的にもやっていますが、水中鍾乳洞にSUPを浮かべて水風呂のあとにそこで休んでもらったらおもしろいんじゃないかな、といった、意外性のあるコンテンツを盛り込んでいきたいんです。それから、まだ日本で数カ所でしか体験できない “ウィスキング”を取り入れたいなと考えていて。ウィスキングは、“ヴィヒタ”という白樺のドライフラワーを水に浸けてサウナの中で体を軽くたたくとすごくいい香りがするんですよ。そういったお客さまが“おもしろそう、やってみたい!”と思えるような、稲積水中鍾乳洞ならではの時間の過ごし方をかなえられるように、チャレンジしていきます。サウナは老若男女問わず一緒に入れますので、ファミリーや友だちグループと皆さんで訪れてもらえたら」とのことでした。
稲積水中鍾乳洞では、サウナのほかにもダイビング体験もアクティビティの一つとして取り入れています。まさかそんなことが水中鍾乳洞でできるの?という驚きと、お客さまの笑顔になれるお楽しみをこれからも計画中とのこと。アウトドアサウナは季節によって景色や気候が変わるごとにそれぞれの楽しみもあります。稲積水中鍾乳洞をはじめ、豊後大野市のアウトドアサウナをはしごしてみませんか。
就活の時に「趣味はサウナです」と答えて、水中鍾乳洞の水風呂ネタが話せたら、きっと面接官のおじさまたちに受けること間違いなし!
- 稲積水中鍾乳洞 テントサウナ
-
〒879-7263
大分県豊後大野市三重町大字中津留300番地
要予約 0974-26-2468(9:00~17:00)
(サウナ)15:00~17:00
利用料金 4,000円/2時間 2人以上~(稲積水中鍾乳洞入館料込み)
※水着持参でお越しください。
https://www.inazumi.com/ - おんせん県いいサウナ研究所
「サウナのまち」豊後大野市他のサウナ
WRITER
- 牧 亜希子記事一覧
planner/writer。特に大分県の観光情報が得意な自称「勝手に大分県の魅力案内人」。友人からのリクエストで旅行プランを立て、アテンドすることも。 特技/取材や撮影に行くことが多いにもかかわらず、「超」が付くほどの雨女。私の行き先ではかなりの確率で降らせます。取材先の皆様、ご了承くださいませ。
青松さんに聞きました! 稲積水中鍾乳洞のサウナの見どころ