おおいたではたらく
2020年02月14日
柳井電機工業株式会社代表取締役社長
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- 業種
- 建設業
https://favoita.com/companies/25/
創業は1947年。日立製品の販売に始まり、「電気・機械の分野でお客さまの悩み事を解決すること」を使命として工事、メンテナンスまでをワンストップで行っています。その内容は、社会インフラの整備に関わるやりがいのある仕事ばかり。エンジニアから営業職まで、幅広い人材が活躍しており、近年は「日経ニューオフィス賞」を受賞したユニークなオフィスづくりでも話題になっています。
社長インタビュー
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- 企業名
- 柳井電機工業株式会社
- お名前
- 柳井 智雄(ヤナイ トモオ)
- 役職
- 代表取締役社長
創業者である祖父は、もともと日立製作所に勤めていました。戦後、日立が全国に特約店を築いていった時代に祖父はふるさとの大分へ帰京し、日立製品の卸売を始めたのが始まりです。当時は大分駅周辺に倉庫があり、そこに電線や照明、エアコンなどの電気製品を約1万点も揃えて直販をしていたようです。戦後の物流事情を考えると、その場で必要な資材が手に入るということはとても付加価値のあることで、朝の6時頃から倉庫はお客さまで賑わっており、皆、そのまま工事現場に出かけていたとか。次第に、倉庫で販売するものを使って「機械をつくりたい」というようなニーズが出てくるようになり、ご要望に応じて、製造や工事、メンテナンスまで請け負う事業へと発展してきました。
たとえば、エアコンを設置したいというお客さまがいらっしゃったとして、その方の本当のニーズは「住環境を快適にしたい」ということかもしれません。ならば、エアコンではなく別の方法のほうが良い場合もあります。私たちの仕事は、お客さまが欲しいものの奥にある根本的な悩み事を電気、機械の分野で解決することなのです。ですから、お客さまからのご依頼も「○○したいけどどうしたらいいですか?」という質問形式がほとんど。そこで、「うちは、○○はできますが○○はできません」というのではなく、「全部任せてください!」と言えるのが当社の強みですね。
そういう意味で、当社の仕事内容はほんとうに幅広いんです。これまでに手がけた仕事には、ホルトホールの音響設備や、大分駅ビルの時計台など、皆さんが何気なく触れているものも多く、社会インフラや空調、水道、プラント、通信・・・分野もさまざま。そこにAIロボットやドローンなど最新の技術を投じて、どんどん新しい分野にチャレンジしているので、人材もますます必要になってきています。
10年ほど前、有休を取ったエンジニアに「何をして過ごしたの?」と尋ねたら、娘さんとプールに行ったというので、私も嬉しくて「よかったね!」と声をかけました。ところが、本人は「全然よくありません。仕事の電話がずっと鳴り止まなかった」というのです。そういう状況をなくしたいと、思いました。そして、何が邪魔をしているのかと考えたとき、「紙の書類」だと思ったんです。個々の頭の中にあることが、個人のノートや書類に記載されているのではなく、誰もがアクセスできるようなオープンな状態になっていなければと。そこで私は、書類のデータ化というミッションを掲げ、実現できた部署から9日間の連休を取得していいと言いました。社員たちも乗り気で!
ところが、プロジェクトが始まったものの、7年待っても誰も連休を取得しないので、さらに私は「書類を全部捨てます」と宣言。棚やデスクの引き出しなどをなくし、紙の保管場所をなくすという強硬手段に出たんです(笑)!
デスクもすべて買い換えようと専門の方に相談したところ、縁あって建築家の塩塚隆生さんに出会い、まるで想像もしていなかった新しいオフィスを提案していただいたのです。
ペーパーレス環境を実現することが目標でしたが、デスクの配置を変えることでコミュニケーションも活性化されました。私の席も、社員たちの和のなかにありますから、社員たちの様子、会話、動き・・・課題や問題も見えやすいし、化学反応も起きやすい。とてもクリエイティブな環境です。紙の書類は、依然として必要なものは残っていますが、格段に減りました。おかげで何日もかかっていた稟議がWEB上で瞬時にできるようになったり、目に見えて改善されています。
「働き方」という意味で、誰かひとりが負担を抱えている状況は、会社としておかしい。オフィスのリニューアルはある社員のひとことがきっかけでしたが、そのほかにも、20時にパソコンの電源を強制終了させたり、残業時間は2時間までと決めたり、2時間単位で有休も使えます。「無人島休暇」の制度もつくりました。年に1度、9連休を取得できるのですが、休暇中の社員に聞きたいことがあっても連絡してはいけないルールです。どうしてもの場合は、役員会で承認を得ないといけません。休暇を取りリフレッシュできるよう仲間で努力する、当社のカルチャーを象徴する取り組みです。
近年は、介護に携わる社員をテレワークの体制にしたり、期限を決めずに育児休暇を取得している男性もいます。酒蔵に修業に行くといって半年間泊まり込みで出張している人もいます(笑)。ひとりひとりの人生、困りごとややりたいことは、必ず一定期間でてくるわけです。就業規則はきっちりと定めていますが、個々の相談に柔軟に対応し、自由に働き方を決めていけるのは、中小企業のいいところだと思います。
私は、関東の大学で学び、就職して、30歳で地元の大分に帰郷。31歳で家業を継ぎました。当時はまだその年齢で社長になるケースはめずらしく、父親世代の方々、ときには祖父の世代の方々にもとても温かく見守ってもらいました。それは、慣れ親しんだ土地だったからこそだと思います。本当に、いろいろなことを教えていただき支えられ、人間として成長できたのです。ですから、そろそろ私も誰かを支える立場になりたいと思っています。大前提としてまず、私が達成したいのは、社員の皆さんにワクワクしながら仕事をしてほしいということ。本人はもちろん、そのご家族まで幸せにしたいというのが私のビジョンです。これからも、どうやって「ワクワク」してもらえるかを考えていきたいですね。
求める人材について
人材を採用するときには、お互いのためにミスマッチを防ぎたいので、お会いしてみて「他社のほうが向いているなあ」と思った方にはハッキリとそうお伝えしています。では、どんな人材に期待しているかというと、私たちの事業になにかひとつでも共感し、それを「やってみたい」と強く思える方。幅広い仕事をしているので、必ず「好き」と思える仕事があるはずです。そもそも就職活動とは、自分は何が好きなのか、人生で何をしたいのか整理をすること。好きな会社に入ることができれば、入社1日目は、大好きなことのスキルをあげる1日目になります。ところが、なんとなく入った会社なら、まず仕事を好きになれるかなれないか、考える1日になります。どっちが楽しいでしょう?!ツラいことはどの仕事にも必ずつきもの。ならば、あきらめずに好きな仕事についてほしいと思いますし、考えてみたうえで、柳井電機工業という会社を選んでくれたならとても嬉しいですね。
- 企業データ
柳井電機工業株式会社
WRITER
- rain記事一覧
佐伯市生まれ大分市育ち。大学で関西へ、就職で東京を寄り道してから大分へUターン。地元雑誌社勤務ののちフリーランスに。「帰っても仕事がない」なんて言ってる人に、大分にもスゴい会社、スゴい人がたくさんいることを伝えたい!