おおいたをたのしむ
2020年03月31日
凸凹に魅了される!-活版印刷-
最近よく見かけるようになった活版印刷。
大分の活版印刷といえば…高山活版社さんにお邪魔してきました!
みなさまの周りにも気がつけば、活版印刷のアイテムが増えていませんか…?
OITA MADEで販売されているポストカードも高山活版社制作のもの。
そして、今回お邪魔した高山活版社の高山社長の名刺ももちろん活版印刷。
厚い紙なので3度刷っているそうですが、全然ズレがない…これぞ職人の技ですね!
ところで活版印刷とは…?
活版印刷は、とっても簡単に言うと、活字を組み合わせて版画のように紙に印刷する昔の印刷方法です。(前述の名刺などは、オリジナルの版を作って印刷されています。)
活字は、たくさんある文字の中から一文字ずつ組み合わせるので、1つの文章をつくるものとても大変そうです…というか気が遠くなります。
これは、活字のほんの一部です。
そんな活版印刷は、今では逆に新しくクリエイターさんたちにも人気。
デコボコをスリスリしちゃう人も多いはず♡
でも、もともと活版印刷はデコボコしていなかったそうなのです…!?
昔は全てが活版印刷
今のような印刷機が発明されるまでは、新聞も伝票も封筒も、活版印刷で刷られていたんですね。特に、新聞なんかはデコボコされては、裏面が読みにくくて仕方ないですよね。
当時は、デコボコさせないことが職人の腕の見せ所だったんですね…!
高山活版社について
さて、今回お邪魔した高山活版社さんは、大分市都町に 1910年(明治43年)創業。つまり、2020年10月で110年を迎える超老舗企業!
創業当時の建物もステキ…!
数年前まで、通常のオフセット印刷、オンデマンド印刷のみを行っていたそうですが、印刷機を買い戻し復活。会社名の「活版」が呼び戻したのかもしれませんね。
印刷機とは思えない、イケメン♡
見た目からも操作方法が難解な活版印刷機ですが、操作できる社員さんがいたことで、その技術を継承されているそうです。
超老舗で超最新!?
活版印刷を復活させた高山社長は、オリジナルのステーショナリーブランド『TAKAYAMA LETTERPRESS』を立ち上げ、活版印刷で制作したポストカードや便箋などを販売。(※大分県内では、別府のSPICAで購入できます。)
印刷業のみならず、仕事以外でも人が集まる場所になれば…という想いから、大香屋(福岡県大牟田市)の食パンを期間限定販売し「高山かっパン社」とお茶目に名乗ってみたり。
『あったか銀紙』という防災グッズを製造販売していたり。
想像していた印刷会社さんとは、かけ離れたユニークさが超新しい老舗企業…!
TAKAYAMA LETTERPRESS
高山活版社のステーショナリーブランド『TAKAYAMA LETTERPRESS』のアイテムを少しだけ紹介します。山香デザイン室のデザインと活版のコラボが胸熱です!
イラストを細い活版の線で表現したポストカードは、線のひとつひとつを目で追いたくなる魅力を感じます。
真っ白さが心ときめく請求書。何枚分でも請求されたい!
薄い紙にロゴの活版印刷を施している封筒は、透け感を楽しむアイテム。
どのアイテムも、手に取ると細部まで丁寧で、こだわりが詰め込まれているのがわかります。「デザイナーさんの要望に応える技術が強み」とおっしゃっていたのを実感した瞬間でした。
(※大分県内では、別府のSPICAで購入できます。)
“生きる術を持ち歩く” あったか銀紙
クリエイターさんたちの細かな要望に応えている髙山活版社が、もう一つ始めていること…それが『あったか銀紙』です。
阪神大震災以来、ずっとどこかで災害時の準備不足への不安があったという高山社長。少しずつ準備を進めてきましたが、その間に熊本震災がおこったこともあり、「震災前に少しでも多くの人の手に届いていれば」という想いから、震災後最優先で商品化。
今では全国の東急ハンズでも販売されています!
軽くて、雨風をしのげ、アルミの効果で低体温症も防げる。
だけじゃないんです。
銀紙自体には、スマホや電話が使えないことを想定した、役立つ情報が印刷されています。イラストも可愛いのが嬉しい。
同封されているアイテムリストには、事前に備えて置くべき物がカテゴライズして掲載されているのでとてもわかりやすいです。
災害後、72時間は自分で自分の身を守る必要があるそうですよ!
私もさっそくリストに書かれているグッズを揃えはじめました。
災害対策のきっかけになるので、プレゼントにも良いですね!
高山活版社にお邪魔して…
活版印刷だけでなく高山活版社さんの魅力にどっぷりハマってしまった私。
やっぱりいつかは活版印刷で名刺をつくりたい。
強く思った1日でした。
でも、大事にしすぎてケチケチしていまいそうな予感。
活版印刷が似合う人間になりたい。
- 高山活版社
WRITER
- 門 まりこ記事一覧
大分生まれ大分育ち。2年間福岡で生活するも、そそくさと大分へカムバック。からあげが美味しい、お刺身がおいしい、食べ物がなんでも美味しい大分が大好き。故にオトナになった今もすくすくと成長中。(明太子が美味しい福岡も大好き。)