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おおいたよもやま

2020年06月26日

おおいた喰らうどファンディング

コロナの影響ですっかり変わってしまった私たちの日常。
毎日の仕事はもちろん、「今度いつ飲む?」「美味しそうなお店があるんだけど、どう?」など、友達や仲間と当たり前のように交わされていた約束が出来なくなる日々を、誰が予測できたことでしょうか。緊急事態宣言が解除された今でも、マスクや手洗いはマスト。ソーシャルディスタンスを守りながら、油断できない毎日が続いています。
現在は少しずつ回復傾向にありますが、週末の街並みも悲しいほど人影のない日々が続いていたこの数ヶ月。閉店や休業を強いられた飲食店も多くみられました。そんな中、この状況をなんとかしようと立ち上がったのが「おおいた喰らうどファンディング」

おおいた喰らうどファンディング

クラウドファンディングとは?

「クラウドファンディング」とは、「群衆(Crowd)」と「資金調達(Funding)」という言葉を組み合わせた造語で、インターネットを通じて不特定多数の人に資金提供を呼びかけ、趣旨に賛同した人から資金を集める方法です。

今回の「おおいた喰らうどファンディング」の取り組みを分かりやすく説明すると、支援者は自分の好きなお店の食事券を先に購入し、営業再開時にその金額で食事をするというスタイル。この“クラウドファンディング”という形で参加店舗、支援者を募りました。今回の企画の立ち上げ人であり、本日お話をお聞きしたのはこちらの方。

おおいた喰らうどファンディング

Exist Japan株式会社 代表取締役・今長学さん

大好きな大分を守りたい!

今長さんは、会社の代表でありながら「大分県デザイン協会」の副会長。しかし、この取り組みに手を挙げたのは大分県民としての個人的な感情だったと言います。
「とにかくあの時、金曜の夜に誰も歩いていない街の光景に衝撃を受けたんですね。都町の飲食店の扉には、休業や閉店の張り紙がいくつもあって。“大好きな大分が消えてしまう”という危機感でいっぱいでした。一概に飲食店といっても、そこで働く人たちだけではなく肉や野菜の生産者さん、農家さん、酒屋さんなどその店に携わる多くの人たちで成り立っているもの。飲食店がなくなるということは、大分の街に明かりが灯されないということ。本気でヤバいと感じましたね。」

おおいた喰らうどファンディング

外食の機会も多く、行きつけのお店も沢山あるという今長さん。初めは、自分には何ができるんだろうとテイクアウトやお弁当、アフターコロナに備えてデジタル面を整備することなども考えましたがどれも納得がいかず。そんな時、目に入ったのがSNSにあった食事券の販売でした。すでに他県では実施している所もあり、大分でも出来ることを確信。
「誰かがやっていることだから、自分でもできるのではないかと思いました。こういうアイディアを持っている人はいるだろうけど、実際動くことは大変。でも、大分の為に誰かがやらないといけないと感じましたね。」

おおいた喰らうどファンディング

デザイナー集団で社会問題に立ち向かう

今長さんはすぐに仲間に相談し、まずはどう動けばいいのかを真剣に模索。そんな時、自分が所属する大分県デザイン協会の仲間との会話から「これぞまさにデザイン協会の仕事ではないか」と立ち上がりました。
「実はデザイナーやクリエイターは、普段からクライアントさんのお悩みや課題を解決している仕事だと私は思っています。例えば新商品を作った会社が、30代女性をターゲットにして売っていきたいという希望があれば、それに合わせたデザインを製作する。その仕事の対象が、今回は社会問題に変わっただけなんですね。」
日々問題を解決している自分たちだからこそ、コロナという社会問題をデザイナー集団で解決できるのだと確信した今長さんは、会長の快諾を得て動き出しました。

おおいた喰らうどファンディング

支援のタイプを決め、府内町のまちなか倶楽部、県庁、市役所にも窓口を設け、ネット環境がない方や高齢者の方でも直接支援できる場所を作りました。
当然ながら最初は参加店舗もゼロからの出発なので、直接飲食店に出向きながら手弁当でのスタート。クラウドファンディングがどういう事なのかを説明しながら、自分たちの熱い想いを伝える日々。チラシを作成し、SNSやHPでの発信を重ねた日々は、まるで選挙活動のようだったと当時を振り返ります。

おおいた喰らうどファンディング

クリエイターたちの力で更なる発信

期間中、更なる躍進を目指し始めたのが県内のクリエイターさんが製作したTシャツ付き募金。
「支援するお店を1つに決められない支援者さんも多かったので、そのような募金型の方にはこれをリターン(お返し)としました。ほぼ無償でのお願いでしたが、その裏ではクリエイターメッセージを専用のアカウントでまとめ、この取り組みを世の中に発信していきました。これがコロナで中止となった展覧会の代わりにしようと発想を変えて、多くのクリエイターさんに賛同してもらいました。」
これぞまさにデザイン協会ならではの取り組み。多くの人々の協力や新聞、メディアに取り上げられた背景も手伝って、終盤の追い上げは驚くほどの勢いがあったそうです。

おおいた喰らうどファンディング シティドレッシング

その結果、約1,300人の支援者のみなさんから、1,000万円の目標額を超えた11,328,000円が集まりました。全部で195店舗の飲食店が参加したこの取り組み。大分の街に活気を、明かりを灯したいという今長さんの純粋な気持ちが多くの人の心を動かしたのではないでしょうか。

また、みんなで乾杯を!

最後に今長さんはこう言いました。
「こういう社会問題が起こった時に、デザイン思考という手法を使えば解決の糸口が見える可能性があるという事を大分県民の皆さんにも知って欲しかったんです。デザイナーやクリエイターはただ絵を描いたり、何かを製作しているだけではなくデザインを通じて世の中を動かせる事もあるんだと。デザインというのは本来、誰かを幸せにするための手法ですから。」

おおいた喰らうどファンディング

大分の街に活気を取り戻すこと、飲食店に少しでも光を差し込むこと、そしてデザインの力で世の中を動かせることがあるということ。今回の取り組みを通じて今長さんは多くのことを私たちに発信してくれました。また、このような活気あふれる大分が戻ってくる事を信じて…‼︎

おおいた喰らうどファンディング シティドレッシング

大分県デザイン協会 会長・越田さん インタビュー

– 今回の取り組みを「デザイン協会」として取り組むと聞いた時の率直なお気持ちを教えて下さい。

率直に言うと「どこが取り組むよりも適任」だと思いました。もともとクリエイター仲間と、出来ることを模索していたタイミングであったこともあり、その日のうちに着手しました。

  • 課題解決に必要なクリエイティブディレクションができる
  • 立場の公平性
  • WEBやチラシなどのツール制作スキルと、広報やクラファンのノウハウがある
  • 適材適所、役割分担で作業スピードが上げられる
  • 協会活動費からの最低限必要となる予算の確保ができる

必要な条件が十分に揃っている状況に思えました。

– 実際に取り組んでみた感想(デザインの工夫など)は?

整理すること、想定すること、作ること、行動してわかった問題に対応すること、短い時間のなかで大変なことの連続でした。日中は仕事をしながら、夜は毎晩4時間ほどzoom会議を開き、およそ1週間かけて最も重要となるビジョンとコンセプト、クリエイティブ指針、あらゆる想定と立場ごとのリスク対策、次の1週間で概要、コピー、グラフィック、WEBサイト、契約内容や法的確認をまとめ、予告と参加店舗募集開始、支援者を募るフェーズにシフトし、各種メディアでの告知や、協会メンバーや有志のクリエイターによるSNSでのクリエイターメッセージ、Tシャツリターンの追加など日々出来ることに打ち込みました。

おおいた喰らうどファンディング

実行隊長の今長さんをはじめ、この活動に関わる方々の熱い想いと行動力が、協力者を生み、クラファンに馴染みのない方のための窓口業務をボランティアで申し出てくださったり、協賛企業として支援くださる申し出や、自分たちにできることはないかと声をかけていただいたり。皆様の気持ちは目標を達成するための大きな力となりました。
僕たちはコンセプトに『「コロナショックを解決したい」という強い気持ちでみんなとつながり、具体的な行動をすることで未来のHAPPYを生み出す』という、想いを共有する人たちとの一体感をつくることを掲げていましたが、多くの支援者の方々が個々思い入れのある飲食店さまに応援メッセージを添えて支援されていたこと、またこの取り組み自体に対してあたたかい言葉を添えてくれる方もおり、一丸となれたように思えて、とても幸せな体験となりました。

おおいた喰らうどファンディング

– これからデザイン・クリエイティブの観点でどのように大分を発展させていきたいですか?

行政や各種機関とも連携しながら、大分の地域課題の解決のために取り組んでいきたいと思います。そのためには、想いに基づく本質への着眼意識、デザイン思考の理解の普及が必要で、クリエイターがひとつひとつ成功事例を示すことが不可欠で、クリエイターのスキルアップも絶対的課題です。
近い未来で、大分のあらゆる産業でクリエイティブの意義を理解していただき、独自の価値を生み出せるようになっていくことで、地方の生活もより豊かになると思っております。

「おうちのおフロで免疫力アップ」!
疫病退散の妖怪アマビエが踊る「シンフロ」動画

「みんなが自由に行き来できるその日まで、おうちのおフロを楽しもう」
コロナ禍により以前のように自由に県外へ観光に出かけづらくなった中、大分県からも新型コロナの終息を願って動画が公開されました。

うちフロを楽しんでもらうため、別府明礬温泉の湯の花を1,000名様にプレゼントするキャンペーンを実施しているそう!
詳しくはコチラ

おおいた喰らうどファンディング
おおいた喰らうどファンディング
※終了
https://sandwichcrowd.com/project/detail/626
シンフロ

WRITER

  • 塩月 なつみ
  • 塩月 なつみ記事一覧

    かぼすポン酢をこよなく愛する生粋の大分女。美味しいものが大好きで、おなかがすくと途端に不機嫌になります。大分トリニータを中心に、企業や観光、飲食などオールジャンルで取材撮影中!

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