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おおいたをたのしむ

2021年01月29日

こうじ屋ウーマンに糀の魅力を聞いてみた!

私たちが慣れ親しんでいる和食。
お味噌汁を飲んで「ほっとする〜♥」と思わず口に出しちゃうのは私だけじゃないはず。
世界無形文化遺産にもなっている和食ですが、かかせない調味料といえば、味噌・醤油・酢などの発酵食品。
この発酵食品になくてはならない原材料が『こうじ』です。

糀屋本店

2006年には日本醸造学会によって日本の菌『国菌』として認定されました。
こうじを漢字で表記する場合、『麹』と『糀』の2つがあるので簡単にご説明。

麹・・・中国から伝わってきた古い漢字。麹は米だけではなく麦や大豆などの穀類で作られているすべての麹に使われる表記

糀・・・江戸時代に日本で新井白石によって作られた国字、米のまわりについたカビを花と見立てて作った和製漢字。蒸し米に麹菌をまぜて発酵させて作った米糀にのみ使われる表記

このこうじを使った新しい調味料として定着しているのが『塩こうじ』。
日本だけでなく、今や海外からも注目されている塩こうじですが、佐伯市のあるお店から誕生したのはご存知でしょうか?
今回は塩こうじの誕生秘話や魅力について、塩こうじの生みの親『こうじ屋ウーマン』にお聞きしました!

江戸時代から続く!?歴史ある糀屋さん

伺ったのは佐伯市の『糀屋本店』。
なんとここは元禄2年 1689年創業!
江戸時代から332年続く、歴史がありすぎる糀の専門店なんです。
お話を聞いたのは『こうじ屋ウーマン』として糀の魅力を伝えるべく国内外を飛び回る浅利妙峰(あさりみょうほう)さん。

糀屋本店

こうじを売るお店は今はあまり馴染みがないかと思いますが、昔は各家庭でこうじから味噌を作っていたため、どの地域にも必ず1軒あったそう。
それがだんだんと手間がかからない市販の味噌が好まれるようになり、1軒また1軒と日本全国からなくなっていきました。

佐伯市でも5軒ありましたが残ったのは糀屋本店の1軒。添加物や保存料が入って賞味期限が長い便利な商品が世の中に浸透していく中で、糀一本で商いをするのは難しく、とても厳しい経営の時代もあったそうです。

「たまたまこの地域では自分の家で味噌を作る方がいたので糀を売ったり、糀を使って製造した味噌や甘酒を細々と販売していました」。

糀屋本店

そんな糀屋本店の長女として生まれ育った妙峰さんは、この糀が取り巻く厳しい環境をなんとか変えていきたいと考えました。

「便利な世の中のせいじゃない。私たちが糀の良さを十分に伝えきれてないんじゃないかと思ったんです」。

発酵調味料のニューフェイス、塩糀誕生!

それから妙峰さんの奮闘が始まります。
あとを継ぎたいと手を挙げた次男とともに、2006年『大分県産業科学技術センター』の新商品開発のカリキュラムに参加。
今までとは違う新しい商品を模索します。

「味噌をバレンタイン用にかわいいパッケージにしてみたりね(笑)。甘酒をシャーベットにしたり。でも何かもっと糀の力が発揮できるものがないかと考えました」。

改めて糀に限らず、料理や食品の歴史、文化について本を読み漁ったそう。
調べていく中で、江戸時代の文献『本朝食鑑』に『塩こうじ漬け』というものがあるのを発見。

「味噌や醤油、酢など糀から始まる調味料はあるのに、塩だけなかった。塩は和食だけでなくどんな料理にも使われていて取り入れやすい。これだ!と思いました」。

糀屋本店

江戸時代に使われていたものを、現代でも塩代わりに使える調味料にアレンジ。
こうして『塩糀』が誕生しました。

糀屋本店

糀屋本店の塩糀のこだわりは原材料と製法。大分県産米100%と長崎の塩と水で作られ、無添加・無着色。昔ながらの室蓋(むろぶた)と呼ばれる道具を使い、手作業で製造しています。そのため一度にたくさんは作れませんが、塩糀を使ったレシピを紹介したり、東京のデパートで販売されたりしているうちに、徐々に広まっていきました。

糀屋本店

そして、2011年にテレビで取り上げられたのをきっかけに塩糀ブーム到来!まさにホームラン級の商品に!こうなると普通は商標登録して独占と思いきや、しなかったそうで…?

「正直に言うとそのとき登録するお金がなかったんです(笑)。周りからも登録したほうがいいと言われたのですが、産業科学技術センターの指導員の方から『すでに一般的に広まっている商品は登録ができません』って聞いたんです。それだったら自社で独占するよりも、もっとたくさんの人に塩糀の素晴らしさを知ってもらいたいと思って、それまで以上にブログで糀の魅力をどんどん発信し続けました」。

その結果、大手食品メーカーからも塩こうじが発売され、家庭で使う調味料として定着していきました。
ブームが落ち着いてからも、糀を広めるために走り続けます。『糀で世界中の人たちをお腹の中から元気に幸せにしたい』との願いから、国内のみならず海外も訪れ、糀の素晴らしさを説いてきました。

「今まで13ヵ国に行きました。海外在住の日本の方だけでなく、現地のレストランのシェフも塩糀を大絶賛してくれましたね」。

また塩糀だけでなく、糀を使った新商品も続々開発。自社ホームページの他にAmazonでも通信販売をしています。食材にこだわる関東圏のリピーターも多いそうです。

糀屋本店

「糀業界のトップ集団として走り続けていきたい。そして、これからも糀の素晴らしさを広めていきたいと思っています」。

今こそ頼りたい、酵素の力!

糀には3大栄養素のタンパク質、炭水化物、脂質を分解する酵素が含まれています。タンパク質が分解されるとうま味のアミノ酸に変わり、硬い肉も柔らかくする効果があります。酵素は体の調子を整える効果もあるそうです。
人は身体の中で2つの体内酵素を作り出しています。食べ物を消化して吸収しやすく分解する消化酵素と、免疫力を高める代謝酵素です。

「この体内で作られる酵素の量は一生の中で限られてるんですよ。この体内酵素の他に、私たちの毎日の食事からとる体外酵素があって、発酵食品や生の食材に含まれています。 今はみんな忙しいからインスタント食品なんかで簡単に食事を済ませるでしょ。そうすると食事からとる酵素が少ないから、自分の体の中にある体内酵素をどんどん消費しちゃうの。若い時は脂身の多いお肉を食べてもなんともなかったのに、だんだん胸焼けして食べられなくなってきたなあって思いませんか?これは年を取って体内の酵素が減ってる証拠なんですよ」。

ついついカップラーメンやコンビニのお手軽ごはんで済ませちゃうことが多い私には耳が痛い話です…。
今からでも食事に気をつければ間に合うでしょうか…?恐る恐る聞いてみました。

「もちろん間に合います(笑)。日本人が海外の方から若く見られるのは、昔から発酵食品や生の食材を食べて、自然に酵素を取り入れていたからだと思うんです。塩糀は塩の代わりに手軽に取り入れやすい調味料です。忙しくても塩を塩糀に変えるだけで減塩につながるし、身体にもいい。発酵食品は腸内環境を整えて免疫力アップの手助けをしてくれます。ぜひ積極的に取り入れてみてくださいね」。

塩糀を使った超カンタンレシピをご紹介!

塩糀が体にいいのはわかったけど、料理ってめんどくさいなあ…と思っているみなさん!
超カンタン塩糀レシピを教えていただいたのでご紹介しますー!全部混ぜて焼くだけなので料理が苦手な方もぜひ挑戦してみてください♪

♥ふわふわ卵焼き

卵焼き

【材料】
卵:3個
塩糀:小さじ2
砂糖:大さじ1

【手順】
1:卵を割ってボールにいれる
2:砂糖、塩糀を入れてよく混ぜる
3:油を敷き中火で焦がさないように焼く

浅利妙峰さん
妙峰さん’s point
卵と塩糀と砂糖を混ぜて焼くだけ!卵の白身は糀の力でダマにならずにふわふわになります。卵焼きの形にできなかったらそのまま焼いてスクランブルエッグやオムレツにしてもOK!

♥お手軽ハンバーグ

ハンバーグ

【材料 2人分】
合い挽き肉:200g
玉ねぎ:100g(肉の1/2)
塩糀:20g(肉の10%)

【手順】
1:粗みじん切りにした玉ねぎと合い挽き肉、塩糀をボールに入れて粘りが出るまで手でよく混ぜる
2:適当な大きさに丸め、中心をへこませて、中火で焦げないように蓋をして焼く
3:表面にいい焼き色がついたら完成

浅利妙峰さん
妙峰さん’s point
玉ねぎを炒める手間もパン粉も必要なし!合い挽き肉を鳥ひき肉にすれば美味しいつくねになりますよ!

おまけ:塩糀を作ってみた

妙峰さんにお話を聞いて、すっかり糀に魅了されました。さっそくお店で生の糀をお持ち帰り♪

糀

塩糀の作り方や塩糀を使った料理レシピの紙をいただけるので、初心者にも安心です。

糀

出してみると、ほわほわとした麹菌たちが。糀の手作りの大変さを聞いたあとなので、なんだかかわいいです。

分量の割合は糀 300g:塩 100g:水 400g。3:1:4です。
この糀をバラバラにほぐし、塩をなじませていきます。

浅利妙峰さん
妙峰さん’s point
手で混ぜるときに「愛してるよー」「アイラブユー」「ジュテーム」なんでもいいけど、愛情を込めてよーく揉むこと!ほんとに違うから試してみてね! 私はいつもそうしてますよ。

購入するときに妙峰さんに言われた言葉を思い出し、「愛してるよー」「美味しくなーれー」と言いながらよく揉みました。

水を注ぎ、両手ですり合わせます。

糀

とろみがついたら常温で1週間から10日おきます。1日1回は良くかき混ぜること。
味見をして、塩と糀が馴染んでほんのり甘みがでたら出来上がり。冷蔵庫で保存します。

これからいろんな料理に取り入れて糀生活を楽しんでみます♪
みなさんも少し食生活に気をつかって、自分の体を大事にしてみましょう!

糀屋本店
〒876-0832
大分県佐伯市船頭町14-29
TEL 0120-166-355
FAX 0120-6767-36
https://www.saikikoujiya.com

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  • KANCO
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    美味しいもの、猫、温泉、旅行が好きです。子供のころは久住の大自然の中で育ちました。福岡に住んだこともちょこっとあり。大分の行ってないところ&食べていないものを発掘中。

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