おおいたをたのしむ
2018年10月31日
注目の現代アートが大分に集結!
10月6日から「おおいた大茶会」をテーマに大分県で始まった「第33回国民文化祭・おおいた2018」、「第18回全国障害者芸術・文化祭おおいた大会」。約2ヶ月間開催される文化の祭典では、現在県内各地で様々なイベントや展示が催されています。
今回は文化祭のためにイギリスからはるばるやって来た、注目の現代アートをご紹介。この期間にしか出会えない世界初の展示は絶対に見逃せないっ!
現代美術の巨匠が魅せる、世界初の展示が話題!
国際的に活動しているアーティストを1組別府に招聘し、地域ならではのアートプロジェクトを行う芸術祭「in BEPPU」。(第2回の様子はこちら!)
第三回となる今回は文化祭のメインプロジェクトとして、現代美術の巨匠と名高いアニッシュ・カプーアを招聘。
ロンドンオリンピックの記念モニュメント制作やヴェルサイユ宮殿で行った個展などで知られる彼の、国内最大規模の展示となる「アニッシュ・カプーア IN 別府」が別府公園で始まりました。
世界初公開の作品もあるということで、国内外からファンが押し寄せているという話題の展示。早速見に行って来ました!
世界初を含む3つのプロジェクトを展開!
カプーアの代表作として知られる「Sky Mirror(スカイミラー)」をはじめ、雄大な山々と海の間に位置する別府公園に3つの作品が登場しました。
1.99%光を吸収!?「Void Pavilion V(ボイド パビリオン ファイブ)」
昨今は彫刻と建築が融合する作品に取り組むことが多いというカプーアが手がけた世界初公開作品。奥行き約12m程度の空間に入ると、真っ白な部屋の正面に黒い円だけが描かれています。
最初は「これだけ!?」と思いながらじーーーっとその丸を見ていると、
「あれ、なんだか歪んで見える!?」
実はこれ、99%光を吸収するという世界でも珍しい塗料を駆使した作品。そのため目が錯覚をおこし、凹凸がわからなくなってしまうそう。
しかもこの作品、実は裏側にも入り口があって・・・さらなる不思議体験は行って見てのお楽しみ!
2.エネルギーを感じる展覧会「コンセプト・オブ・ハピネス」
8点のドローイングと彫刻の作品を展示したギャラリー。溢れ出しそうなエネルギーを感じる彫刻作品は、どこか不気味な印象を与えます。
ギャラリー内ではベールに覆われている彫刻作品もあればむき出しのものもあります。それは美しさと醜さの境を表しているとも言われています。
なんとも自分たちの想像力を試される作品の数々。どんな意図が込められているのか自分なりに解釈してみるのもカプーア作品の楽しみ方の一つなのです。
3.大きなミラーがどーん!「Sky Mirror(スカイミラー)」
別府公園の真ん中に、どーんと現れたのがお椀型の鏡。カプーアの代表作です。
直径5mの鏡は、今回の展示のために一から作られました。カプーアはこの作品を「空を地上に連れて来た」と話しているそうで、まさに緑の芝生に異次元の空間が浮かび上がったかのように感じられます。
無料で見学できることもあり、写真を撮りに訪れる方も多いこの作品。正面から、横からと見る場所によって見え方も異なり、さらに時の移ろいも美しく写すミラーは、ずーっと見ていても飽きません。
ちなみに・・・光を反射する「スカイミラー」と、光を吸収する「ボイドパビリオン」。この二つも対になった意味を持っているのだそう。
一つの作品だけでなく、3つの作品を通じて様々な問いを投げかけてくるカプーアの作品。深い・・・深すぎます!!!
アートを通して大分を知るきっかけに
カプーアのプロジェクトをディレクションした「混浴温泉世界実行委員会」によると、今回のプロジェクトは「地球のマグマ活動によって熱せられた地下水が湯けむりとなって空へ昇り、雨となって大地へ還る、そんな地球のエネルギーを感じさせるということをコンセプトに作品を展開しています」と、別府のイメージをカプーアならではの感性で捉え、3つのアート作品を通して表現しているのだそう。
世界的アーティストの作品から見る、新しい別府。
普段は見ることができない貴重な作品たちを、まずは感じたまま素直に楽しんでみてはいかがでしょうか。
県内各地のアート作品
別府のほか、県内各地では様々なプロジェクトが開催中。その内のいくつかをご紹介します。
回遊劇場〜ひらく・であう・めぐる
大分市内中心部や中心市街地循環バスのルートエリアを劇場や美術館に見立てたプロジェクト。まちなかの公共空間や日常空間を絵画や彫刻、市民協働によるモザイクアートなど様々なアート作品が彩ります。
会場:大分市内中心市街地各所
期間:11月25日(日)まで
https://www.facebook.com/kaiyugekijyo/
なかつ水灯り2018
豊かな水と森を有する中津市の中心市街地と耶馬溪地域において展開する、アーティスト・高橋匡太氏によるアートプロジェクト。中心市街地の商店街では、市内の小学生が書いたボトルメールがライティングされ、幻想的な世界をつくりだしています。また、耶馬溪地域では、11/10~11/18の間、代表的な景勝地一見小景の奇岩をダイナミックにライトアップします。
会場:中津市内
期間:11月25日(日)まで
朝倉文夫の後輩たちによる野外制作「巨大 寝ころび招き猫」
豊後大野市出身の彫塑家・朝倉文夫の後輩たちである東京藝術大学の深井隆教授ら10人が集結。豊後大野市の杉やクヌギを使って高さ約3m、幅約10mの巨大招き猫を制作しました。
会場:〒879-6224 大分県豊後大野市朝地町池田1587-11 豊後大野市朝倉文夫記念公園
期間:11月25日(日)まで
開催時間:8:30〜
http://www.bungo-ohno.jp/docs/2018081600062/
- アニッシュ・カプーア IN 別府
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会場:〒874-0903 大分県別府市野口原3018-1 別府公園
期間:11月25日(日)まで
開催時間:10:00〜18:00(最終入場17:30)
料金:一般(高校生以上)1200円、小・中学生500円、未就学児・障がい者 無料、大分県内の小・中学生無料(学校から配布された無料鑑賞券を必ずお持ちください)
※『Sky Mirror』のみ無料で鑑賞可
http://inbeppu.com/
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大分市出身。見たがり・聞きたがり・知りたがりの“たがり”精神で活動する、好奇心旺盛なライター&宅地建物取引士。不動産会社、出版社に勤めたのち、竹田市地域おこし協力隊として移住者支援を担当。久住の山々と星空が好き。だけど関あじはもっと好き。