おおいたをたのしむ
2021年09月10日
大学生がめぐる!おおいたTrip レトロかわいい豆田町さんぽ 前編
実は大分ってこんなところがあったんだ! おいしいもの、楽しい場所、感動の景色…改めて大分県のいいところを探るべく、大分県出身の大学生が巡るプチトリップレポートをお届けします♪
- 今回の行き先
- 日田市豆田町
九州の真ん中、熊本県と福岡県の境目に位置する大分県日田市。その中心地にある豆田町は江戸時代の幕府直轄地で、九州の政治・経済・文化の中核として栄えました。江戸・明治期に建てられた商家や土蔵などが連なる、レトロでかわいい町並みが残る「九州の小京都」なのです♪また豆田町とその周辺は、住時の地割りや伝統的な建物が群として残っていることから、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定。
今回日田市をめぐったのは…
Kanokoさん
大分市出身。現在、東京大学文学部人文学科社会学専修課程3年生。文化行政やまちづくりに興味があり、初めて歩く豆田町の散策をとても楽しみにしていました! 地元の方のお話や文化財との出合いに興味津々です。
Kanokoさんチョイス!今回の豆田町おさんぽルート
- 日田駅
- (徒歩10分)
- 1咸宜園跡・咸宜園教育研究センター
- (徒歩約10分)
- 2麦屋カフェ
- (徒歩約3分)
- 3日本丸館
- (徒歩約3分)
- 4Life Design Shop Areas
-
最初に立ち寄ったのは、歴史スポット
1 咸宜園跡・咸宜園教育研究センター
案内してくれた方/咸宜園教育研究センター 若杉竜太さん
新しい教育システムをつくりあげた広瀬淡窓の私塾
- Kanokoさん(以下、Kanoko)
- 「日田」と検索すると最初のほうに「咸宜園」がヒットするので、きっと日田の歴史を伝える重要な場所なのだろうと思い、すごく気になっていました。ぜひお話を聞かせてください!
- 若杉さん(以下、若杉)
- はい、よろしくお願いします。
まず咸宜園をつくった「広瀬淡窓」先生についてですが、豆田町の掛屋の長男として1782年に生まれました。「掛屋」とはいわゆる金貸し、銀行です。
淡窓先生は小さい頃から漢詩などを学び、英才教育を受けて育ちました。ただ体が弱かったため家業は弟に譲って、教育者の道に進むことになり、淡窓先生が36歳の時に今の場所に咸宜園をつくったんです。広瀬家や淡窓先生に関する資料は何万点と残っているので、教育研究センターで少しずつ研究をしながら、当時の日田をひも解いていっています。淡窓先生の日記も残っていて、咸宜園の塾生のことや広瀬家のことなどが書き留められているんですよ。
- Kanoko
- すごい家柄に生まれたんですね。咸宜園ではどんな教育をしていたんですか?
- 若杉
- 淡窓先生は特定の学派・思想に捉われず、思索を重ねた末、正しいことをすれば天に報われる「敬天思想」という教えを説きました。咸宜園の教育には3つの特長があります。
一つ目は、「三奪法(さんだつほう)」。入門時に身分・年齢・学歴は関係なく誰もが等しく学べる、としていました。
二つ目に、「月旦評(げったんひょう)」という成績表を毎月発表していました。「無級」からスタートし、9級まであって、毎月の試験で合格すると級が上がるといったオリジナルの教育システムもつくっていました。
三つ目は「職任制」といって、塾生は自分の郷里を離れて下宿生活をするのですが、ご飯をつくる係や書物の管理をする係、掃除の係など、それぞれに役割を与えて、単に勉強を教えるだけでなく、社会性も養っていたんですね。
- Kanoko
- 成績だけではなく、人としての教えまで! 咸宜園では行き届いた教育が受けられていたんですね。門下生はどのぐらいいたのですか?
- 若杉
- 1805年に最初の門下生を受け入れ、92年間で約5000人です。その数が近世から近代にかけて日本で最大の塾と言われるゆえんなのです。淡窓先生から学んだ人は50年で約3000人いました。 有名な門下生だと、総理大臣になった「清浦奎吾(けいご)」や、日本で最初に写真館を開いた写真家「上野彦馬(ひこま)」がいます。教科書でよく見る坂本龍馬の写真を撮ったのが上野彦馬です。歴史上のエピソードを掘り下げると咸宜園出身の人がたくさん関わっていることがわかりますよ。咸宜園教育研究センターの展示でいろいろと探ることができます。
- Kanoko
- それは面白いですね。詳しく調べてみたくなります。咸宜園のように身分関係なく入れる私塾というのは当時珍しかったんですか?
- 若杉
- 誰でも学べる環境は珍しかったんです。ただですね、私塾なので学費はかかります。寮生活もありますし、勉強のための本も買うでしょ。今の金額でざっくり年間100万円ぐらいですね。
- Kanoko
- そうなんですね。
豆田は日本で最初の学園都市だった!
- 若杉
- 豆田町は咸宜園に通う多くの塾生が下宿をして、今で言うバイトをする人もいて、豆田町は日本最初の学園都市のようなものだったんです。日田の町をかたちづくったのは咸宜園や広瀬淡窓先生だったといっても過言ではありません。
- Kanoko
- 町ぐるみで咸宜園と一緒に塾生を支えていたというのが本当に驚きです! 当時豆田を歩いていたら、きっとたくさんの塾生とすれ違っていたんでしょうね。
- 若杉
- そうだと思いますよ。咸宜園は明治30年で終わってしまったのですが、そのまま残っていたら日田市に大学ができていたんじゃないかと思います。日本では江戸時代の塾の延長線上で大学になったところが多いので。
- Kanoko
- 「日田大学」になっていたかも!?
- 若杉
- 名前は「咸宜大学」だったかもしれませんよ。
咸宜園の「咸宜=ことごくよろし」とは「誰が来ても受け入れますよ」という意味があり、それが淡窓先生の教えの根本なんです。その教えが受け継がれた大学だったかもしれませんね。
豆田町には咸宜園をはじめ、近世日本の教育遺産群として日本遺産に認定された広瀬淡窓先生ゆかりのスポットがたくさんあるので、ゆっくりめぐっていってくださいね!
館内の様子はこちら
Kanoko’s impression
咸宜園の塾生が豆田町で下宿やバイトのような内職をしていたことを初めて知りました。天領の町であり「学生の町」でもあったという豆田町の新たな一面を発見。町歩きの視点も変わりました。
- 咸宜園跡・咸宜園教育研究センター
-
住所:大分県日田市淡窓2-2-18
TEL:0973-22-0268
休日:年末年始
-
小腹が空いたので、おしゃれカフェへGO!
2 麦屋カフェ
石畳の通りにぴったりな雰囲気の佇まい。和モダンな「麦屋カフェ」は、豆田散策に欠かせないカフェスポットです。メニューには日田ならではのランチやスイーツがずらり!
案内してくれた方/オーナー中野千鈴さん
レトロモダンな佇まいが映える♪
- Kanoko
- なんといってもかわいすぎる外観に惹かれました! 眼鏡のようなデザインの窓がインパクトありますね。建物の前で絶対写真を撮りたいですもん!
- 中野さん(以下、中野)
- ありがとうございます! お店を始めて11年になりますが、もともと喫茶店をしていた建物で、私もこの外観に一目ぼれしました。このモコモコした「だんご壁」がポイントですね♪日田の左官で有名な会社の方が施したデザインなんですよ。豆田の町並みに似合うように、崩しすぎないモダンな雰囲気にしています。
- Kanoko
- そうなんですねー! 豆田にフィットしていてとても素敵です。
中野さん、おすすめのスイーツをいただきたいです! - 中野
- では日田ならではの「柚子胡椒のコロネソフト」を召し上がってください!
- Kanoko
- 柚子胡椒ですか!? ソフトなのに、コロネ!?
- 中野
- 柚子は日田の特産品なんですよ~♪柚子胡椒と柚子の皮が入っています。
大人フレーバーのコロネソフト
- Kanoko
- おー! 口に入れた途端にパーンと柚子胡椒のさわやかなフレーバーが広がって…後から辛味が追いかけてきます! でも、ベースのミルクソフトがマイルドに包んでくれて…。まさに大人のソフトクリームですね。
それと、コーンの部分がコロネというのが斬新! しかも温かい!! ひんやりソフトと温かいコロネのコラボが絶妙です。ソフトクリームがコロネにジュワ~っと染み込んできますね。 - 中野
- コロネは揚げているので、少しカリっとした食感がおもしろいでしょ? 早く食べないと溶けちゃうので、気を付けてくださいね。「この味がクセになる」とまた食べに来てくれるお客さまもいます。夏におすすめですね。
せっかくなので、「キーマカレーパン」も食べてください! ランチメニューのあるキーマカレーを揚げちゃいました。
- Kanoko
- うーん、この食感、リアルな音でお届けしたい…! 歯ざわり、カリッカリですね(ASMR推奨)。具は、トマトに豚肉、玉ねぎ、にんじん…そしてチーズですね!?
- 中野
- 正解です!生姜、にんにくもたっぷり入っています。冬場にはグラタンが入った「グラパン」も登場しますよ。
そのほかにも「日田っ子ライス」などのランチメニューもありますし、季節ごとのフルーツをたっぷり使ったパフェもオススメです! 次回ぜひ食べてくださいね♪
Kanoko’s impression
3人の娘さんの母でもある中野さんはとてもキュートな方でした♡
大きくてまん丸な窓から外を眺めつつ、ランチをして、甘いものも食べて。のんびりできて素敵な時間が過ごせました。次は絶対パフェを食べたい!- 麦屋カフェ
-
住所:大分県日田市豆田町9-2
TEL:0973-28-5582
営業時間:11:00~17:00
休日:木曜(祝日の場合は営業)
- 日田パフェマップ&クーポン
- 日田パフェマップ&クーポン 第2弾!! | おいでひた
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お次は“薬”に関する歴史あるスポットへ…。
Kanokoさんがめぐった「レトロかわいい豆田町さんぽ」は後編へ続く。
WRITER
- 牧 亜希子記事一覧
planner/writer。特に大分県の観光情報が得意な自称「勝手に大分県の魅力案内人」。友人からのリクエストで旅行プランを立て、アテンドすることも。 特技/取材や撮影に行くことが多いにもかかわらず、「超」が付くほどの雨女。私の行き先ではかなりの確率で降らせます。取材先の皆様、ご了承くださいませ。
咸宜園(かんぎえん)は、江戸時代の儒学者・教育者である広瀬淡窓(ひろせたんそう)が開いた私塾で、高野長英や大村益次郎など、江戸から明治時代にかけての多くの偉人たちが巣立った名門塾の跡地。隣接する「咸宜園教育研究センター」では、咸宜園や広瀬淡窓やその門下生の研究資料などを展示。