おおいたではたらく
2020年09月30日
株式会社スズキ代表取締役
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- 業種
- 総合商社
https://www.e-suzuki.co.jp/ja/
1946年に創立し、米穀販売店、石油販売事業を経て1994年より本格的に半導体事業を開始。事業拡大とともに現在では本社のある大分、東京、中部、岩手、熊本に営業所と物流センターを構えます。近年の新たな挑戦として、ヘルスケア&IoT事業も立ち上げました。
また、これまでの地域経済に根差した取り組みが高く評価され、経済産業省の「地域未来牽引企業」に選定されています。
社長インタビュー
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- 企業名
- 株式会社スズキ
- お名前
- 鈴木清己(スズキ キヨミ)
- 役職
- 代表取締役
米穀の販売店として父が創業し、当時最新だった精米機を導入したのが大分県でおそらく第一号機だったと記憶しています。のちに石油販売事業を開始し、ガソリンスタンドでは洗車も含め地域一番店を目指していました。しかし私が1995年に行ったアメリカでは、すでにセルフになっていたんです。衝撃を受けましたが、数年後には日本もそうなるだろうと感じ、別のことにチャレンジしようと決めました。
そのころ、スズキの目の前にあった旧東芝大分工場(現株式会社ジャパンセミコンダクター)が「産業のコメ」といわれた半導体の一大生産拠点として、世界市場をリードしていました。東芝の半導体関連の取引業者は関東・関西の大手企業ばかりでしたが、やはり地元企業とも取引をするべきだろうと、旧東芝大分工場から、半導体関連の材料を取り扱う商社としてやってみないか、と当社に声がかかったのです。それから大分を拠点に全国・世界へと事業を展開することにつながっていきました。旧東芝大分工場は我々の育ての親だと思っています。
業態としては、半導体製造機器の部材調達をメインに、アウトソーシング、半導体装置のメンテナンス、ロジスティック、バイオ・ヘルスケアの5つの部門で展開しています。今ではグループ企業を含め4社となり、社員は175名所属。売上は年間110億円ほどに成長することができました。
基本計画としてSDGsの考え方を持ち、社員はもちろん、お客様や外注先の皆様にも周知させていただいています。同様に大切にしているのは近江商人の商売の極意「三方よし」の考え方です。売り手・買い手が満足し、社会貢献をする、という商売にあるべき姿を常に持つこと。そしてもう一つは会社のイズムである「安心・安全・感動 笑顔で働ける環境づくり」を忘れないこと。安心と感動をお届けすることでお客様から感謝していただけ、社員に笑顔がもたらされる。そんな素晴らしいことはありませんよね。
そんな志を持って、社員全員が同じ方向を見て進めるように「100年企業」というマイルストーンを目指すための5年間の中長期計画を設定しています。創業74年を迎えた今、これからの未来がクリアになるよう、今後入社する若い人材にも安心して長く働いてもらえるようにしたいんです。自社の過去の売上データと社会の動きを分析し、戦略的に活用しながら当社のアクションプランを実践していくのみだと思います。
また社外での取り組みとしては、大分県LSIクラスターや九州半導体・エレクトロニクスイノベーション協議会などにも携わり、社員もセミナーや講演会などに積極的に参加して知識や情報のアップデートを欠かしません。
求める人材について
あるジャンルに対して技術を持っている人、チャレンジ精神を持っている人に興味があります。その人の個性とスキルのポテンシャルにかけてビジネスをしたいと思うので、自分の可能性を伸ばしたい、将来達成したい目標がある、世の中が困っていることに対して解決していきたい、そんなふうに考えている人がいれば、ぜひ受け入れていきたいです。好奇心があってやりたいことを推し進める力があれば、一人でかなえられなくてもいいんです。会社全体として一緒に考えていきます。
当社の基本方針の中で特に重要な「人財教育」には、「社会の課題解決に必要なことならば、成功させるまであきらめずに続ける」ということを掲げています。自分たちの仕事に意義があるのかどうか、お客様の課題解決のために必要なことは何か、その仕事を好きでやっているのか。そんなことを問いかけながら営業先でも頭を悩ませてほしいと思っています。そうすることで、付加価値のあることへの近道につながり、ひいては革新的なアイデアを生み出す力となり、スピードとタイミングをもって必ず成功できると信じています。
そして、デザイン思考で解決策を見いだすことができ、あらゆる環境変化に対応できる“人財”に育っていってくれることを願っています。そのために会社も全力でサポートしていきます。
学生時代に経験してほしいこと
多様な人たちとの出会いの場に積極的に出向いてほしいです。学生や同年代の人たちだけでなく、いろんな意見を聞けるフィールドを自ら作って、時間のある限り動いたり、フォーラムなどがあれば聞きにいったり、自分のスキルを自分で上げていけることが大事だと思います。いろんな人材に会ってみる好奇心、話してみる行動力、そんなことを率先して動いてほしいです。
これから就職活動を行う学生へメッセージ
大分の弱いところを感じてもらって、自分たちの力で大分をなんとかしたいという気持ちをぜひ持ってください。その前に、自分の長所・短所も見直してみましょう。ライバルに勝つためには相手の弱点を探して、そこに勝負をかけていくじゃないですか。自分自身の強みを見つめなおし、そして大分を良くしていくためにはどんなことが必要なのか、自分に何ができるのか、それがどんな企業なら実行できるのか。可能性をふるさとで試すって、おもしろいですよね。働き方は多様化してきているので、大分でも東京でもできることは変わらないと思いますし、むしろ今は地方のほうがさまざまな面で有利なのかもしれません。
- 企業データ
株式会社スズキ
WRITER
- 牧 亜希子記事一覧
planner/writer。特に大分県の観光情報が得意な自称「勝手に大分県の魅力案内人」。友人からのリクエストで旅行プランを立て、アテンドすることも。 特技/取材や撮影に行くことが多いにもかかわらず、「超」が付くほどの雨女。私の行き先ではかなりの確率で降らせます。取材先の皆様、ご了承くださいませ。