おおいたをたのしむ
2022年11月11日
大学生と巡る!
知られざる神秘的SPOT旅in宇佐 後編
「地元の人でもよく知らない」そんな場所って気になりませんか?今回は、大学生のお二人と一緒に宇佐市の神秘的な場所を巡ってきました!ミステリアスな宇佐がぎゅ~っと詰まったレポートを前編・後編に分けてお届けします。宇佐の魅力を再発見できるかも!?
今回宇佐市をめぐったのは…
宇佐市出身、九州国際大学3年生
「今回の取材先は初めて行く場所なので、とっても楽しみです♪」
宇佐市出身、慶應義塾大学3年生
「この旅で、宇佐の魅力をもっと知ることができたらいいなと思っています!」
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続いては、地獄と極楽を体験できるスポットへ
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桂昌寺跡 地獄極楽 案内してくれた方
上鶴 さん安心院おもてなし観光ガイド
ようこそ地獄極楽へ
- 福島、常盤
- よろしくお願いします!
- 上鶴さん(以下、上鶴)
- よろしくお願いします。地獄極楽という絵巻物は全国にたくさんありますが、洞窟の中にあるのはここだけなんですよ。
ということで、まず案内していただいたのはこちらの階段。
「数えながら階段を上ってください」と言われ、数えながら上ってみると33段!
この33という数字は、地獄極楽を体験するにあたって特別なキーワードになっているので、みなさんも想像しながらご覧くださいね。階段を上り、洞窟の入り口へと向かいます。
- 上鶴
- 入ってすぐに見えるのが、閻魔様です。
亡者が前世にどんな良いことや悪いことをしてきたか、というのをここで裁判にかけるんです。
裁判官は、この「閻魔様」と牛の頭をした人間「牛頭羅刹 」、馬の頭をした人間「馬頭羅刹 」の3人。
閻魔様の右下に浄玻璃の鏡があって前世の姿が映し出され、それを参考に地獄に送られるのか、極楽に行けるのかというのが決まるんですね。 - 常盤
- 地獄には送られたくないですね…!
- 上鶴
- そうですよね。この洞窟の中でだけ地獄を体験してみてください!
左から牛頭羅刹・閻魔様・馬頭羅刹
それでは、地獄へご案内します
ひんやりとした空気が漂う洞窟。
三途の川を渡って、地獄極楽体験の始まりです。三途の川
洞窟の中は道が別れていて右側が地獄、左側が極楽へと続きます。
左奥 奪衣婆/手前 「胎内くぐり」入口
- 上鶴
- これは
奪衣婆 といって、地獄に行く人々の服を剥ぎ取るお婆さん。でも「許してください」と、三途川の渡し賃である六文銭を置くと服を剥ぎ取られずに済むといわれています。
まさに“地獄の沙汰も金次第”といったところでしょうか。 - 福島
- 怖いですね。どんな人も服を剥ぎ取られてしまうんですか?
- 上鶴
- 悪い事をした大人が剥ぎ取られてしまいます。
「胎内くぐり」という穴があり、小さな子どもは悪いことをしたことはないだろうと、そこから極楽に逃げられるようになっているんです。
別府の血の池地獄とはだいぶイメージが違う、血の池地獄!?
- 上鶴
- ここは「血の池地獄」。地獄に落とされたらここで赤鬼と青鬼から苦しめられるんです。鉄の棒を持っているでしょう。あの棒を使うんだと思います。いまは水が澄んでいますが、苦しめられた人の血で赤く染まっていくから「血の池地獄」といいます。
- 常盤
- 血の池地獄というと別府のイメージでしたが、全然違いますね。本当の血の池地獄…。
地獄をぐるりと一周したあとは、菩提坂をこえて極楽へと向かいます。
どんな悪いことをした人も念仏を唱えて心を入れ替えれば、極楽へ行けるという教えを広めているわけです。地獄から極楽へ
不動明王
人が死んでから魂が迷わないように、7日ごとに仏様が来ます。
初七日が不動明王 で、あと釈迦如来 ・文殊菩薩 などが並びます。
さきほど見た「胎内くぐり」の出口があったりと、地獄とはまったく違う光景が広がっています!- 福島
- よくできていますね。
こうやって実際にお話を聞かないとよくわからない部分もあるので、すごく勉強になります。 - 上鶴
- そう言ってもらえると嬉しいですね。
でも、本当の極楽はまだこれからなんですよ。
ここにいる、勢至菩薩 ・阿弥陀如来 ・観音菩薩 の3人が極楽へ行く人々を案内するんですね。普通、阿弥陀如来というのは座っているんですが、ここではいつ誰が来てもいいように立って待っています。
そして、雅楽 の演奏にのって極楽へ向かうというストーリーです。
勢至菩薩・阿弥陀如来・観音菩薩
- 上鶴
- この奥にある「針の耳」という小さな登り口から、鎖をつたって登っていきます。現代でいうと、エレベーターとかエスカレーターみたいな感じでしょうか。
ここに来るお客さんも登って行く人は多いですよ。
極楽へは階段からも行くことができるそうなので、今回は階段を使って極楽へ案内していただきました。(※スニーカーがおすすめです!)
ぜひ実際に行ってチャレンジしてみてくださいね。抜けたあとには美しい風景が広がっていました。さすが極楽というだけあって、景色もよくて空気がおいしい!
秋には前の棚田に彼岸花がたくさん咲くそうですよ♪極楽までの長い年月
ここまで地獄・極楽と巡ってきましたが、最初に上った階段の33という数字を覚えていますか?
上鶴さんに33の意味について教えていただきました!- 上鶴
- 人は亡くなってから
初七日 ・二七日 ・三七日 ・四十九日 、そしてお盆を迎えますが、まだその時は魂がさまよっているんです。それから5年・10年・15年と続き、33年でやっと極楽に行けるようになります。最初に登った階段は33段でしたね。33年経たないと極楽には行けないよ、という意味が含まれているんですよ。 - 常盤
- 階段が33段だった理由は、極楽に行けるまでの長い年月を表したものだったんですね。
- 福島
- 上鶴さん、素敵なガイドありがとうございました!
生きている間に死後の世界を体験できる「桂昌寺跡 地獄極楽」。
ぜひ江戸時代のテーマパークを楽しんでみてくださいね。
ガイドさんご希望の場合は、宇佐市観光協会へご連絡ください。桂昌寺跡 地獄極楽の様子はこちら
- 桂昌寺跡 地獄極楽
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住所:〒872-0702 大分県宇佐市安心院町東恵良
営業時間:08:00〜17:00
Yumeka’s impression
テーマが宇佐のミステリースポットということでしたが、宇佐生まれ宇佐育ちの私でも知らない所が多かったです。最後に行った地獄極楽は全体がひとつのストーリーのようになっていて、まさにミステリーの名にふさわしい場所でした。
まだ宇佐には行ったことのない所がたくさんあるので、今回の旅で宇佐の素敵な場所をもっと見つけていきたいと感じました!
Yuna’s impression
最初に訪れた宇佐のマチュピチュは大学の友達から教えてもらった場所だったので、しっかりと自分の目で見て良さを感じられたのがよかったです。幻想的な景色で、都会の人は「こういうものを求めているんだな」ということが直に分かったというのも嬉しかったです。
地獄極楽は、江戸時代から不思議な体験ができるスポットだったということに驚きました。全てにストーリーがある、というのも面白かったです♪
宇佐には、楽しい場所やおいしいものがまだまだたくさんあるので、ぜひ宇佐へ遊びに来てください!空気もおいしいですよ。
WRITER
- 日名子 真衣記事一覧
猫とパンを愛してやまないママライター。食べ歩きと写真を撮ることが趣味です!美味しいものを探して、相棒のカメラと一緒に大分県内を旅します。将来の夢は、縁側のある家で猫とのんびり暮らすこと。
室町時代の中期に開かれ、江戸時代に入り廃寺となってしまった桂昌寺を、江戸後期に「午道法印 」という僧が復興しました。さらに午道法印は文政3年ごろ、村人達を仏の教えに導くため、裏山を切り開き洞窟を掘って地獄と極楽の世界を体験できるテーマパーク「桂昌寺跡 地獄極楽」を作ったといわれています。