
おおいたをたのしむ
2026年03月06日
三角チーズパン「サンチー」 全国で注目される理由とは
つるさき食品
「サンチー、今日買えるかな」。
大分市東部エリアの高校に通っていた人なら、昼休みに購買で繰り広げられていた“サンチー争奪戦”を思い出す人も多いのではないでしょうか。あまじょっぱいチーズクリームがずっしりと詰まった「三角チーズパン」、略して「サンチー」。購買で大人気だったパンが大分を飛び出し、今や東京や大阪などの全国の百貨店催事で行列ができる存在に。サンチーはなぜ全国に広がっていったのでしょうか。
今回は、三角チーズパンをつくる有限会社つるさき食品へ。社長の足立洋三さんにお会いしてきました。
サンドイッチをヒントに生まれたパン
JR鶴崎駅から車で約10分。大野川沿いにあるつるさき食品。
昭和33年に創業し、学校給食用コッペパンを製造する会社として始まりました。約40年前に大分市東部エリアの高校の購買部でのパンの販売をスタート。総菜パンや菓子パンなど、多い時で100種類以上のパンを日替わりで製造していたそう。そのなかのひとつとして三角チーズパンがつくられるようになりました。
※現在は高校での販売は行っていません。
三角チーズパンが誕生したのは約30年前のこと。
「サンドイッチをつくるときに、食パンを三角に切るのですが、この形を生かしたパンがつくれないかという発想から生まれました」と足立さん。ボリュームもあって食べやすい形で、高校生が喜んでくれそうな味を目指しました。そこで考案されたのがオリジナルの“チーズクリーム”。
「甘いだけだと食べている途中で飽きてしまったり、最後まで食べにくかったりするので、少し塩味を効かせた“あまじょっぱい味”にしました」。
ほんのり甘い生地に、塩気のあるクリームがたっぷり。ひと口目は甘く、次の瞬間にチーズのコクと塩味が追いかけてきます。この“あまじょっぱさ”がクセになり、気づけば最後まで食べ切ってしまうのです。
愛情込めて1日1000個
サンチーの1日の製造数は1000個前後。製造ラインで大量生産されているのかと思いきや、実際は工程のほとんどに人の手が加わっています。
三角形にカットした2枚のパンの間にチーズクリームをサンド。その上からクッキー生地をのせ、オーブンで焼き上げます。「三角形のどこから食べてもクリームが出てくるように気を付けています」と足立さん。見た目はシンプルですが、クリームの量や塗り広げ方にも細やかな気配りがあるそうです。
成形や仕上げは人の手で行われます。だからこそ、生地には素朴な質感が残っています。
そしてもうひとつの特徴が、焼き上がった端にできる“ハネ”の部分。広がり方や焼き色は手作業だからこそ、同じものはありません。ハネのサクサク感が好きな人にとっては、買う際にハネの大きさを見比べながら選ぶのも楽しみのひとつ。
「サンチー」の名づけの親は“鶴高”の生徒!?
サンチーは大分市内のスーパーや産直店、イベント、催事会場で購入することができます。
「今日は買えなかった」「購買に早く行けた友だちに頼んでゲットした!」「部活前に食べるためにいつも買っている」など、かつての卒業生からもサンチーにまつわるエピソードは尽きません。親になった卒業生が、今は子どもと一緒に買いに来ることもあるそうです。
ちなみに“サンチー”の名づけ親は、実は大分鶴崎高校(鶴高)の生徒たちとのこと。「いつの間にか定着しましたが、鶴高生から広がっていったと聞いています」と足立さん。かわいい呼び名からも、当時の高校生のサンチー愛がうかがえます。
関東・関西でも話題に
サンチーの名前が全国区になるきっかけは、2018年の東京駅での催事販売でした。
「 “これ、サンチーですよね?”と大分県出身の方から声をかけられて、本当に驚いたんです」と、足立さん。サンチーと県外での再会や新たな出会いは、SNSでも拡散されるようになっていきました。
全国の百貨店催事では大行列ができ、その評判を耳にした蔦屋書店からも声がかかるなど、サンチーは“大分のソウルパン”として県外にも広がっていきました。
そのままでも、リベイクしても◎
サンチーの魅力は、甘味のあるさっくりとした生地と、塩味の効いたオリジナルのチーズクリームの絶妙なバランス。お昼ご飯にも、おやつにもぴったりな味わいです。
あんこ味
チョコ味。三角の角の歯ごたえのある部分やハネのクッキーのような食感など、どこからかじってもいろんな楽しみがあります
そのまま食べてもおいしいのですが、足立さんおすすめの食べ方は「リベイク(焼き直し)」。編集部でも実際にリベイクに挑戦してみたところ、これが衝撃のおいしさ!
トースターで2~3分焼くと、生地はふっくら、さっくり。なかのクリームはなめらか、とろーり。特にハネのカリサク感は格別! 思わずうなってしまうおいしさです。リベイクすることを強くおすすめします!
最後に足立さんに、三角チーズパンへの思いを語っていただきました。
「これからも、大分の愛されるパンであり続けたいですね。購買での思い出の味が、その家族やまわりの人にも広がっていったら嬉しいです」
全国で行列ができるようになった今も、原点は高校の購買にあります。あの昼休みのワクワクが、時代を経て形を変えながら広がっていく―その姿が、サンチーが愛され続ける理由なのかもしれません。
季節により、あんこやチョコのほかにも限定の味が登場することも。つるさき食品のSNSを要チェックしてくださいね!
- つるさき食品
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〒870-0272 大分県大分市迫1002番地
TEL 097-521-8847
https://tsurusakifoods-web.jimdosite.com/
https://www.instagram.com/tsurusaki_foods/
WRITER

- 牧 亜希子記事一覧
planner/writer。特に大分県の観光情報が得意な自称「勝手に大分県の魅力案内人」。友人からのリクエストで旅行プランを立て、アテンドすることも。 特技/取材や撮影に行くことが多いにもかかわらず、「超」が付くほどの雨女。私の行き先ではかなりの確率で降らせます。取材先の皆様、ご了承くださいませ。























