おおいたをたのしむ
2018年01月31日
竹を学ぶ
「竹」の学校
大分には、全国で唯一の竹細工を学べる公立の学校「大分県立竹工芸訓練センター」があります。
2年間で竹細工の技法を伝え、後継者を育成することを目的に設立された職業能力開発校です。
しかも授業料は無料!(ただし、入校時に教科書等の実費は必要。)
※以前カテテでもご紹介した竹藝家の中臣 一(なかとみ はじめ)さんもこちらのご出身です!
しかし、倍率が高い!
毎年人気のため、平成29年度から定員を2名増員し、12名となりましたが、倍率は2.5倍だとか! 平成30年度生の募集対象は、平成30年4月1日時点の年齢が18〜39歳の離転職者、一般求職者(教育機関在学中の者を含む)。もしくは、平成30年3月大学・短大・専門学校・高等学校修了見込み者です。 見学(オープンキャンパス)は随時受付けているそうなので、お電話(0977-23-3609)でお申し込みを。
そんな倍率の中、入校された生徒さんにちょっとお話を聞いてみました。
まずは、1年生の教室にお邪魔しました。
1年生は、基本課題を製作中と聞いて教室に入ると竹ひごの製作中。
基本課題は、竹ひごを作る授業なのかと思いきや、基礎課題「掛け花かご」の製作に使う竹ひごを1本1本製作しているそう…完成までの道のりが長い!
竹細工を作るときには、竹を選び材料から作るのが当たり前なんだとか。
そして、これ↓が基礎課題として製作するもの。
1年生から本格的なものを作るんですね…!
県外出身のお二人の生徒さんにお話を伺いました。
伊東 宗一さん(宮城県出身・40歳)は、震災をきっかけに、自分の手で仕事がしたいと思い薬剤師を退職し、竹細工にチャレンジ。 「竹細工に魅力を感じたのは、茶道で見た花かごの美しさに触れた時です。学校に通うまでは作品の全体を見ていましたが、今は材料で8〜9割が決まると考えているので、どれだけ材料が丁寧に作られているかを見るようになりました。別府は竹細工に最適な環境だと思います。修了しても別府で竹細工を続けたいと思っています」。
Hさん(石川県出身・24歳)は、以前学校で陶芸を習っていたそう。「陶芸と比べても竹はとても面白い素材で、新しい可能性を感じました。 現在シングルマザーで子どもを育てながら通っていますが、いつかものづくりをしている姿を子どもに見せたいです。移住して気付きましたが、別府は1番竹に恵まれている土地だと思います」。
続いて2年生の教室へ。
2年生は、オリジナルの作品づくりの真っ最中!
みなさん思い思いに黙々と作業されています。
こんなに細かい竹ひごを編み込んでいる方も…! 製作段階でもみなさん個性的。どんなものができるのか気になります♡
2年生は、もともと大分在住のお二人にお話を伺いました。
安部 由衣さん(大分県出身・28歳)は、実家のお寺を手伝うために退職。 「お寺には竹林があり、たくさんの竹があるので、お寺の竹を使って何かを作りたいと思っています。お寺でワークショップなどもできるといいな。大分県民として別府竹細工を守っていきたいと考えています」。
神薗 祐志さん(福岡県出身・36歳)は、10年前から転勤のため大分で家族と暮らしていましたが、ある時別府市竹細工伝統産業会館へ行き、竹細工と出会います。
「家族からの反対もありましたが、サラリーマンをやめました。竹細工はとても面白いので一生続けたいですし、これで飯を食えるようになりたいと思っています!」
作品を見にいこう!
修了生の作品の数々のパネルが所長室に貼られていました。
修了作品展で使用したものということですが、どれも個性的で素敵!
今回、竹細工の奥深さに触れて、知れば知るほど魅力が増すものだなと思いました。確かにお値段はちょっと高いですが、これだけ手間ひまかけて作られ、長持ちするのであればお値段も納得。私も少しずつ生活に竹細工を取り入れたい!そして、大切に大切に使いたい!と思いました。(まずは、おにぎり入れを購入予定です。)
そして、竹細工を集めたくなっている今、自らの手で生み出せる生徒のみなさんが本気で羨ましい…。
今年の修了作品展は、2月24日(土)〜25日(日)ホルトホール大分で開催!
2年生がひとり6作品ずつ出展するそうです!
- 大分県立竹工芸訓練センター
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住所:〒874-0836 別府市東荘園3丁目3組
電話:0977-23-3609
HP:http://www.pref.oita.jp/site/280/
- 修了作品展
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期間:2018年2月24日(土)〜25日(日)※両日とも 10:00~17:00
会場:ホルトホール大分 (〒870-0839 大分市金池南1丁目5番1号)
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- 門 まりこ記事一覧
大分生まれ大分育ち。2年間福岡で生活するも、そそくさと大分へカムバック。からあげが美味しい、お刺身がおいしい、食べ物がなんでも美味しい大分が大好き。故にオトナになった今もすくすくと成長中。(明太子が美味しい福岡も大好き。)