おおいたをたのしむ
2023年12月08日
毎日を豊かに。 カジュアルにアートを楽しもう「文ヶ学」
アートの世界は、気後れしちゃうなと思っているみなさま。今年、大分市内にオープンした新感覚アートギャラリー&ショップに足を運んでみてはいかがでしょう?
その名も「
「文ヶ学」ってなあに?
広々とした空間の中には、たくさんのアーティストが手掛ける作品たちがずらり。
しかしながら気になるのは、このギャラリーの名前「文ヶ学」。実はこの言葉は造語で、カルチャーの「文化」と「学問」を掛け合わせ、「新たな文化の起点となり、芸術や音楽、ことばが人々にもたらす可能性を探り続ける学問」というメッセージが込められたものだそう。このアートギャラリーをオープンさせた意味も込められているとのことで、オーナーの川平さんとスタッフの齊藤さんにお話を伺いました。
(左:川平さん 右:齊藤さん)
「同じ会社で経営している「10 COFFEE BREWERS」のテーマは“カフェと語学とカルチャーと”。そのカルチャーの部分が年々広がりを見せていて、気付けば海外の作家さんも含め、大変多くの繋がりが生まれきたんですね。そこで、もう少しカルチャーについて深掘りというか、本腰を入れていこうという想いから「文ヶ学」をオープンさせました」(川平)
なるほど。日本のアートをもっと広く伝えていきたいという想いから誕生したギャラリーだったんですね。この「文ヶ学」は他のギャラリーと違う点も多いようで…?
もっと日本のアーティストたちが活動できるように
エレオノール・ボストロム「あなたの犬を探して展」
「文ヶ学」では、基本的には2〜3ヶ月ごとの周期で、色々な作家さんの作品が並びます。大分県出身、在住のアーティストはもちろん、全国や世界で活躍するアーティストの作品も。ここで展示される作品は、オーナーやスタッフたちが気になったアーティストたちを中心に声をかけ、集めたものだとか。その場で購入することもできます。
竹川快
「美術の世界で売れるために必要なことは“文脈”だと言われています。様々な時代背景はありますが、作品を選ぶ時に、次に世界が求めているであろう現代アートの流れに乗っていけそうな作品であることは大切な点かもしれませんね。個人的には、ただのアートファンなので(笑)、芸術に関する知識は持ちつつ、いい意味での素人っぽさは大事にしたいなと思っています」と、作品を楽しむ側の人間としての公平な目は大事にしたいと川平さん。
坂田藍美(@sakataaimi)
菊池俊治/まねきねこ(@kikuchishunji)
大分のおいしいお茶をティースタンドでどうぞ
また「文ヶ学」では、ティータイムも。
佐伯・小野農園の「大分釜炒り茶」と、杵築紅茶の「べにふうき」など、大分の美味しいお茶が楽しめます。焼き菓子はオリジナル。ティースタンド式なので、スタッフさんとお話ししながら気軽にひと休みしましょう。テイクアウトもOK!
アートのサブスク??
日本における芸術や文化の存在はまだまだ浅く、製作活動だけで生活できるアーティストさんは世界に比べてものすごく少ないことも、こうした私設のアートギャラリーを介して何とか変えていきたいと川平さんはいいます。
安部 沙保里(@saor.i34)
「例えばヨーロッパなどでは、大学生まで美術館が無料だったりして、日常的にアートを鑑賞できるんです。なので大人になってもアートを楽しみ、アートにお金を落とす習慣があります。でも日本はまだまだ。多くのアーティストさんが30代後半にもなると、このまま茨の道を行くのか、生きていくために就職するかの選択を迫られます。そうやって才能のある優秀な方々が辞めて行ってしまうことが多いんですね。そういう業界自体に外野から一石を投じられたらという想いがあります」。
もっと多くのアーティストたちの作品を見てもらい、触れてもらうことが大切だという想いから誕生した「文ヶ学」。才能が埋もれてしまわぬように、これまでアート界隈では行われてこなかったアートのサブスクリプションなども視野に入れているそう。
olectronica(@olectronica)
清水 美於奈(@miona_shimizu)
「色々なハードルはありますが、日本の作家さんたちがもっと活動できるように、これまでタブーとされていたものも含め、掘り起こしていけたらと思います」。
確かに、一般的にいうギャラリーはアート作品を見たり買ったりする場所だけど、アートのサブスクとは斬新!実現できたら、私たちの日常にもアートが増え生活に潤いができそうな予感がします♡気軽に楽しめるアートな毎日、なんだか楽しみです。
「オープンから数ヶ月経ちますが、近所の子どもたちが何度も遊びに来てくれるので声をかけたら美術部の子だったりして、とてもうれしいですね。老若男女問わず、どなたでもカジュアルにアートを楽しむ場所になってほしいです」。
アートはもとより“ギャラリーってなあに?”という方にも、カフェに来るような感じで気軽に足を運んでほしいと川平さん。
アートは、生きるために絶対必要なものではないけど、そばにあればきっと心豊かになるもの。私たちの生活に、ほんのひと匙のアート、取り入れてみませんか?
- 文ヶ学 bunkagaku
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〒870-0822
大分市大道町2丁目6番26号 N2G 1F
定休日:日・月
営業時間:11:00〜18:00
Instagram:https://www.instagram.com/bunkagaku/
WRITER
- 塩月 なつみ記事一覧
かぼすポン酢をこよなく愛する生粋の大分女。美味しいものが大好きで、おなかがすくと途端に不機嫌になります。大分トリニータを中心に、企業や観光、飲食などオールジャンルで取材撮影中!