
おおいたではたらく
2025年03月21日
農業を通じ、笑顔あふれる福祉の世界をつくる
株式会社シンシアリー若手社員
小学生の頃からラグビーの世界にハマり、ラガーマンとして学生時代を駆け抜けた1人の先輩をクローズアップ! 自分自身の人生を考えた時に出会ったのは、障がい者の方々のはじけるような笑顔でした。悩みながらも辿り着いた福祉の世界で、成長をみせる先輩の今までとこれからをご一読ください。
お邪魔したのは、こちら!!
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株式会社シンシアリー
2011年設立。大分県日田市に本社を置き、就労継続支援A型、B型事業所、グループホームを運営しています。(就労継続支援A型事業所「えくぼ」、就労継続支援B型事業所ミニえくぼ、共同生活援助 グループホームふぁーすと)障がいを持った方々の社会自立を目的とし、誠実な対応と心からの支援を行っています。
お話を伺ったのはこちらの方。
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- お名前
- 加藤 悠貴(カトウ ユウキ)
- 所属部署
- 農業部
- 入社年
- 2019年
- 出身地
- 大分県玖珠郡玖珠町
- 出身学部
- 大阪産業大学 経済学部経済学科
ラグビーに魅せられた学生時代

玖珠町に生まれ育った加藤さん。小学生の頃に、友達に誘われたことをきっかけにラグビーを始めました。その後、大分東明高校のラグビー部へ入部し、3年間の寮生活を経験。高校卒業後は大阪の大学へ進学し、引き続きラグビーに打ち込みました。まさにラグビー漬けの毎日を送っていた中で迎えた就活時期。ハッキリとした目標はなかった中で、「ラグビー部の友達や、周りの就活の流れに押された感じではあったのですが(笑)就活して内定ももらいました。でもその時に何か違和感を覚えて、その企業に行くことはできませんでした。今思えば、そこが人生の分岐点だったなと思います」。
大手企業の内定を手にしながらも、将来、自分がそこで働く姿が想像できなかったという加藤さん。悩んだ末に内定は辞退し、納得のいく人生の選択を探したといいます。

仕事中の様子
人生を変えた子どもたちの笑顔
昔から子ども好きだった加藤さんは大学を卒業後、知人の紹介から児童発達支援の指導員のアルバイトを開始。そこで出会った障がいを持つ子どもたちとの出会いが、人生を変えたと当時を振り返ります。
「身体や精神、色んな障がいを持った子たちがいましたが、みんなの笑顔がめちゃくちゃ素敵だったんです。不自由な想いを抱えながらも、心から楽しそうにしている姿に感動すら覚えたのを今でも覚えています」。
足の不自由な子どもに体の動かし方を教えるなど、指導員としての経験を重ねた加藤さん。
とはいえまだ就職をする決意はないまま、地元・大分へ戻り、公務員学校に通ったりしながら自分の将来を模索。
「周りはみんな就職していたので焦りのようなものもあり、何かしなければという気持ちが強かったんです。でもなかなか見つけきれず、自分探しを懸命にしていましたね」。

農業部の利用者さんと一緒に働く様子
シンシアリーとの出会い、そして農業の世界へ
そんな加藤さんの転機となったのは大学の先輩でもあり、現在働くシンシアリーの専務・平川 智也さんへ相談したことでした。同じラグビー部だったこともあり話を聞いてもらい、シンシアリーの仕事を聞いた時に自分の中の興味が強く動いたといいます。
「大阪での指導員の経験もあったので福祉関係の仕事に興味はありました。会社見学に行った時の社内の風通しも良かったですし、社長も元気いっぱいで(笑)。でも何より、障がいを持ち働いている方たちの表情がとても良かったんです」。
素直で純粋な障がい者の方たちの姿に心撃たれた加藤さんは、そこで入社を決意しました。

入社時から農業部に配属となり、30種類以上の野菜を利用者の皆さんと育てている加藤さん。農業未経者のチャレンジは本当に大変だったといいます。
「最初は何も知らなかったのでドキドキの毎日。当時の記憶がないくらいです(笑)。通勤の1時間は農業のYouTubeを流しながら勉強したり、社長に農業のイロハを教えていただきながら学びの毎日でした」。
まさか自分が農業に携わるなど思いもしなかったと、笑顔をみせる加藤さん。今ではお米や酒米、サツマイモや落花生など多くの野菜や利用者さんの管理を一任するリーダーに。農業部の格付責任者として、日々スタッフの指導にあたっています。真夏の作業や、働く人たちの安全を考えた事前準備など大変なこともある毎日ではありながらも、みんなの笑顔を見ていると心から嬉しいと笑顔をみせます。

社内レクリエーションの様子
「知的、精神、発達障がいと様々な障がいを持つ方たちと働いているので、とにかくケガに繋がらないように気をつけています。作業には草刈機やトラクターも使いますし、農業は大げさではなく死と隣り合わせの世界。利用者さん一人ひとりの性格や特性を考えて、しっかり準備することができるように計画するのが僕の仕事だと感じています」。
大きな責任感と誇りを持ち仕事と向き合う加藤さん。今後は、シンシアリーで作る野菜や商品をもっと多くの人たちに知ってもらいながら、農業部も発展していきたいと話します。物腰柔らかく、温かな加藤さんの愛情がスタッフと野菜たちに注がれ、大きな輪となる日はすぐそこまで来ているような気がします。

大分で働く魅力
まずは家族がそばにいること。そこは大きな安心感につながると思っています。また、大阪で過ごした自分だからこそ感じるのは、大分の人の温かさだと思います。農作業で畑にいると近所の方々が話しかけてくれる上に、指導もしてくれます。農業を始めた頃は素人同然だったので厳しいことを言われることもありましたが、大きな学びになりました。大分の人からは大きな愛情を感じることが多いですね。
学生さんへのメッセージ
僕自身も内定をもらった経験がありますが、それがすべてではなかったと今は思います。学生の内は色んなところにチャンスは転がっているので、僕のように時間はかかっても視野を広く持ちながら多くのことを経験することは決して無駄ではないと思います。焦ることもあると思いますが、なりたい自分になるために色んなことにチャレンジしてほしいと思います!
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WRITER
- 塩月 なつみ記事一覧
かぼすポン酢をこよなく愛する生粋の大分女。美味しいものが大好きで、おなかがすくと途端に不機嫌になります。大分トリニータを中心に、企業や観光、飲食などオールジャンルで取材撮影中!