おおいたではたらく
2018年08月17日
特定医療法人 明徳会 佐藤第一病院院長・看護部長
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- 業種
- 医療
昭和3年に『佐藤医院』として診療を開始し、昭和26年に『医療法人佐藤病院』創設。昭和45年から『明徳会 佐藤第一病院』として現在地で診療を続けている、宇佐市の地域に根付いた歴史ある病院です。時代の変遷にともない、北部圏域では回復期リハビリテーション病棟をいち早く設置したほか、近年は新棟を建設して外来、手術室、内視鏡センターなどを一新。「地域に密着した質の高い医療」「チーム医療の推進」を理念に掲げています。
院長・看護部長インタビュー
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- 企業名
- 特定医療法人 明徳会 佐藤第一病院
- お名前
- 中原 成浩(ナカハラ シゲヒロ)
- 役職
- 院長
- お名前
- 富井 ゆきみ(トミイ ユキミ)
- 役職
- 看護部長
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- 病院の理念に「質の高い医療」とありますが、それを実現するためどんなことを大切にされていますか?
- 中原院長:
- 患者さん方を大切にするというのはもちろんのこと、それ以前に働く医師や看護師、スタッフたちが幸せでなければならないと考えています。そのためにもワークライフバランスを取れるように改革を進めてきました。仕事中は成果を出してもらい、しっかりと休みを取る。これが基本です。
- 富井看護部長:
- 看護部では「笑顔・まごころ・思いやり」をモットーに、看護職員全員で病院理念の「質の高い医療とはどんなものか?」を患者さん目線で考えてもらい、『心温まる看護』という看護部理念を導き出しました。
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- 具体的にはどのような「改革」を行いましたか?
- 中原院長:
- 「TQM活動」や「5S活動」などをツールとして、医療の質向上に努めています。
その一つが「医師と看護師のコミュニケーションを促進する」というものでした。本来、医師と看護師は密にやりとりをしなければならないのですが、一人ひとりが担当する患者さんの数は相当なものですし、上手くいっていなかったというのが正直なところ。そこにTQMでの提案があり、積極的にコミュニケーションを取ろうとする「意識」がずいぶん改革されたと思います。 - 富井看護部長:
- 「5S活動」は、整理・整頓・清掃・清潔・しつけを徹底することで、能率の改善を実感し、ムダの気づきや、チームワークの醸成・医療安全につながっています。
- 中原院長:
- たとえば、私たちのデスクが並んでいる部屋には、椅子を仕舞う位置を記す線を床に引きました。離席するときは必ずその線の内側に椅子を仕舞うしつけをしたんです。そうすると、線がなくなったあとも皆きれいに椅子を片付けるようになりました。見た目も美しいですし、椅子に足をひっかけてつまづくこともなくなりましたね。
- 富井看護部長:
- 「TQM活動」は、部署ごとに考えた業務改善案をプレゼンで競うもの。病院内で1位になった改善事例は全国大会の発表に参加しています。
院内TQM大会の様子
全国TQM大会発表の様子
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- 病院は24時間営業というイメージがありますが、積極的に有給を消化してもらう工夫をされていますね?
- 富井看護部長:
- はい。その一つが、自分の誕生月の都合がいい日に有給を取得できるという「マイバースデー休暇」です。また、産休・育休を取得する人は、子どもの1歳の誕生日がちょうど職場復帰の日にあたるんですよね。でも、お子さんが1歳を迎えるお祝いの日ですから、そこまで気兼ねなくお休みしてもらい、次の日から出勤してもらう「ファーストバースデー休暇」という制度も導入しています。お子さんが3歳になるまでは時短勤務も可能。産後の復職率は100%です。
- 中原院長:
- 男性の育児休暇取得例もありますよ。
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- 制度だけではなく「心」に響くフォローもしていらっしゃるとか?!
- 富井看護部長:
- 看護部には、私が日々全員と顔を合わせられないくらいたくさんの職員がいます。せめてお誕生日をきっかけにコミュニケーションが取れたらと思い、バースデーカードをプレゼントしているんです。渡す時に「最近疲れてない?」「ご家庭ではどう?」なんて他愛もない話をして、少しでも一人ひとりのことを理解できたらと思っています。
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- 素敵ですね! 全国的に看護師不足の問題が話題になっていますが、どんな人材を求めていらっしゃいますか? 学生さんへのメッセージもお願いします!!
- 中原院長:
- 知識や経験は、現場で学び身につけていけばいいんです。それよりも「情熱のある人」「調和を重んじる人」でしょうか。
- 富井看護部長:
- そうですね、スキルはあとから付いてきますもんね。誰だって初めはゼロからの出発です。経験をしながら共に学び、共に育てばいいんです。
- 中原院長:
- まずは、職場の雰囲気を感じていただくためにも実習やインターンシップに来ていただけると嬉しいですね。当院は、実習を担当する指導者の育成にも力を入れています。
- 富井看護部長:
- 毎年、県の実習指導者研修を修了した看護師が学生の実習を担当し、学生の指導や後輩の育成にあたっています。
- 中原院長:
- これが学生さんたちに好評で、近年は実習生やインターンシップ経験者からの就職希望がかなり増えています。男性の看護師も多くなってきていますよ。
- 富井看護部長:
- インターンシップの受け入れは、病院のホームページでお知らせしているほか大分県看護協会 ナースセンターのホームページにも広報させていただいています。多くの学生さんに体験していただき、将来、一人よりも二人、二人よりも三人、チームで一緒に学び、考えながら仕事ができると嬉しいです。
新人オリエンテーションの様子
新人オリエンテーションの様子
- 企業データ
特定医療法人 明徳会 佐藤第一病院
WRITER
- rain記事一覧
佐伯市生まれ大分市育ち。大学で関西へ、就職で東京を寄り道してから大分へUターン。地元雑誌社勤務ののちフリーランスに。「帰っても仕事がない」なんて言ってる人に、大分にもスゴい会社、スゴい人がたくさんいることを伝えたい!