おおいたではたらく
2024年10月11日
大分移住レポート Vol.04 “ここに来てよかった” 竹田と生きる、幸せになるための移住スタイル。
「移住は、ふるさとの引越し。だからこそ真剣に考え、自分と町に向き合って決断しました。今はとても幸せです」。
そう笑顔を見せるのは、2023年に竹田市に移住した飯田将さん。様々な町に暮らしてきたからこそ、今見える景色を大切にしたいといいます。大分移住レポート第4回目は、多くの経験をしてきた飯田さんが竹田市への移住に至るまでの背景に迫ります!
自分の夢に向かって
福岡県福岡市出身の飯田さん。高校を卒業後、大手電気通信企業の営業担当として約10年間勤めました。その後、結婚を機に奥さまの実家のある熊本県へ。老若男女が気兼ねなく集まり、家族が団欒できる場所をつくりたいと考え、たどり着いたのが飲食業の世界。経験がなかった飯田さんは大手飲食店を全国で展開する会社へ入社し、飲食業の仕組みを学びました。
「初めてで大変なことばかりでしたが、今頑張っていることが将来プラスになると確信し頑張りました。一生懸命やっていたら、手を差し伸べてくれる人もいて本当に有り難かったですね」。
自分の信念を貫きながら、独学でも料理の勉強を重ね、その後イタリアンレストランを開業。お店は評判を呼び、連日行列のできる繁盛店になりました。鹿児島県にも2号店を出店しましたが、様々な事情があり店舗を譲渡することに。色んなことがあったけど、その時の経験が今の自分に繋がっていると飯田さんは当時を振り返ります。
その後、関東や福岡などの大手飲食店で働き全国No. 1の売り上げも記録したという飯田さん。飲食の世界で自分のできることをやりきった感情と、最愛のお母さまを亡くされたことが重なり、昨年飲食業から去ることを決意。
「奥さんからも、これからは好きなことをしてほしいと言葉をもらいました。ずっと猛烈に忙しい日々を過ごしていたので、次は好きな農業をしながら、家族とのんびり過ごしたいなと。全国で働きたい会社を探しました」。
自分らしく暮らせる場所を求めて
自分が納得できる所を探したという飯田さん。新たな人生を過ごす場所を決めるための条件は多くあったといいます。
「まずは大自然があること。そして温泉があり、子どもたちの学校環境や奥さんの暮らす環境が大事でした。会社としては、売上資本主義ではなく、自分たちのつくったものの良さをちゃんと理解し、それを自分たちの手で売り届けることができる。そんな会社を望みました」。
最終的には3つの企業に絞り、現在働く「有限会社グリーンファーム」と出会いました。代表との対話で、自分が大切にしていることが重なり決断に至った飯田さん。最初はお互いの理解を得るまで大変なこともあったといいますが、今はこの人以外はいないと思うほどの信頼感が築けているといいます。
移住への歩み。信頼できる町と人との出会い
こうして竹田に移住を決めた飯田さんは、農業就労希望だったことから農業専門の紹介会社「あぐりナビ」を利用。この出会いが「竹田市社会人インターンシップ」にも繋がり、移住への速度も上がったといいます。
「担当者の方がとても親身に相談に乗ってくれて、本当にお世話になりました。働く場所だけでなく、移住に関する様々なことを教えてもらいましたね」。
飯田さんは、竹田市社会人インターンシップの利用者第1号。大きな不安もあったといいますが、竹田市役所の職員さんとの出会いがその不安を払拭してくれたといいます。
「竹田の情報がない自分にとって、家探しや仕事探しにおいてのしっかりしたサポートはとても心強いものでした」。
打ち合わせは初めはリモートでスタート。町の取り組みや課題も含め、色んなことを質問しながら竹田のことを知っていったという飯田さん。何度も回数を重ねて、自分の持つ不安や疑問も全部聞いてもらい、お互いのミスマッチをなくしていったそうです。
「自分が行けない時は担当者の方が代わりに家を見に行ってくれたり、全てのことを整備してくれました。本当に親身になってくれて、触れ合っていく内に自分が竹田を選んだことが正解だったと思わせてくれました」。
仕事としての業務ではなく、人間として向き合ってくれる竹田市役所の担当者の誠意が大きな安心感になったと飯田さん。移住において絶対に必要なのは、担当者の熱意。この町を愛し、発展させていきたいという気持ちがなければ何かが変わっていたかもしれないと言葉を重ねました。
ありがとうの気持ちを竹田の町へ
竹田に暮らし1年。これまでの手腕を買われ、久住高原育ちの卵を使ったランチが大人気の「カフェ カプリセス」の店長として多くのことに邁進する日々。10月には、カフェと商品製造などを行う2号店「とりtoたまご」がオープン予定です。農場で愛情込めて育てている卵の魅力をもっと知ってもらうためのリブランディングも必要だと、飯田さん自ら2号店の開業を提案したといいます。
「地元産の卵の美味しさをもっと多くの人に知ってもらいたいですし、従業員たちのやりたいことも実現してあげたいと思いました。自分を受け入れてくれた町に恩返しできるように、また、この町が持つ可能性がもっと増えていけばいいなと思います」。
人の温かさを日々感じ、移住して良かったと思うことばかりだと目を細める飯田さん。
「竹田について“好き”という言葉しかないほどです。休日も、竹田から出ることはないんですよ。心優しい人たちに囲まれ、穏やかな生活を送れていることに感謝しかないですね」。
移住に必要なことは何かと問うと、「今、自分が頑張っていることを一旦止めてみること」と飯田さん。毎日当たり前に頑張っていることが本当に自分に必要なことかどうか、誰かの真似事になってないか? 一度深呼吸することは大切だといいます。
「本当に必要なことかどうかを見つめ直し、自分のやりたいこと、やりたくないことを理解することで自分が暮らす場所や生きる道が見えてくるのではないでしょうか」。
「この先も家族には竹田に来て良かったと、従業員には自分と働くことができて良かったと思ってもらえるように頑張りたいですね」。
“移住はふるさとの引越し”だと話す言葉の背景には、自分と守るべき家族のために、とことん移住と向き合う飯田さんの大きな愛がありました。自分が本当に幸せになるために必要なことは、まず自分と向き合い、考えること。そこで出た答えを信じて、突き進む行動力も移住にとって大切な要素なのかもしれません。
竹田市社会人インターンシップについて
竹田市役所 総合政策課地域力創生係にお話をお聞きしました!
- 竹田市社会人インターンシップってどんな制度?
- 「暮らし」から「しごと」まで支援する移住施策として、若者・子育て世帯を対象に実施しています。この社会人インターンシップは、「地域体験型」と「しごと型」の2種類の体験を組合せ2泊3日程度の日程で行います。
- どんな方におすすめですか?
- 移住先での仕事の確保、生活拠点を知りたい方や地域とのつながりを大切にする方におすすめです。
- 今までの事例を教えてください
- 「しごと型」で2社のインターシップを行い就職が決まり、「地域体験型」では竹田市内の買物場所・病院、子どもの遊び場をまわり、また、空き家バンクを通じ物件を紹介し住む場所の確保もできました。
- 社会人インターンシップのPRお願いします!
- 「しごと型」と「地域体験型」を体験し、市内事業者や地域住民とつながりを作り、「暮らし」から「しごと」までを支援し、安心した移住の実現に向け取り組んでいます。少しでも興味のある方は、お気軽にお問い合わせくださいね!
- 竹田市社会人インターンシップ
- cafe caprices (カフェ カプリセス)
WRITER
- 塩月 なつみ記事一覧
かぼすポン酢をこよなく愛する生粋の大分女。美味しいものが大好きで、おなかがすくと途端に不機嫌になります。大分トリニータを中心に、企業や観光、飲食などオールジャンルで取材撮影中!