おおいたではたらく
2017年01月20日
古手川産業 株式会社代表取締役社長
-
- 業種
- 製造業
https://favoita.com/companies/27
我々の社会生活において、縁の下の力持ちとして活躍する石灰製品。工業用・肥料用の他、化粧品、食品、中和剤として環境面でも活用されています。石灰製造業を120年以上続けてきた古手川産業。積み上げてきたノウハウ、技術力をもとに、石灰石資源のさらなる有効活用、商品開発に取り組んでいます。
社長インタビュー
-
- 企業名
- 古手川産業 株式会社
- お名前
- 古手川 保正(コテガワ ヤスマサ)
- 役職
- 代表取締役社長
ここ津久見市は、古くから石灰石という資源に恵まれていました。戦国時代の頃は、漆喰として活用され、江戸時代には臼杵藩が管理していたそうです。高度成長期には鉄鋼や化学業界で需要が伸び、飛躍的に発展していきました。
『石灰』と聞いても一般的にはあまり馴染みがなく、運動場に引く白いラインを想像する方も多いかもしれませんが、実に多くの製品に利用されている、生活に密着したものなのです。先ほど話した漆喰を始め、農作物の肥料、化粧品、セメント。食品でいえば、ガムや歯磨き粉、こんにゃくや砂糖の精製にも使われています。また、石灰は安全で安心なアルカリ剤なので、中和剤として利用されることも多いのです。ごみの焼却炉に石灰を入れることで有害物質を減らし、きれいな空気づくりにも役立っています。同じように下水処理にも使われ、環境面でも活躍しています。皆さんが普段使う紙にも石灰は使われていて、石灰が入っている紙は白さが長持ちするんですよ。そのままでは、利用できない軟弱な地盤の表層改良材としても使われます。石灰製品の活躍を挙げていくときりがありません。
弊社では、様々な分野で活躍する石灰の基となる製品を製造しています。しかし、石灰石は天然資源。津久見の石灰石はこの先100年は大丈夫だと言われていますが、もう100年しかないのです。100年が決して長い時間だとは思っていません。これまでも専門部署を設けて研究・開発に取り組んできましたが、昨年迎えた120周年を機に、新たに「2020年ビジョン」を策定し、付加価値の高い素材の開発に取り組んでいます。資源で生きるのではなく、あくまでも技術で生きていくのです。
そうしたときに必要となるのが人材。石灰のプロを育て、文化を守り、進化させていかなければなりません。実際に理系出身の社員が多いのも事実ですが、採掘や製造、事業開発などの他にも営業や総務、経理などの仕事ももちろんあります。新卒者に最初からプロを求めるわけではなく、前向きにチャレンジを続けられる方が必要なのです。新卒はもちろん、いったん外で学び、Uターンして地元で働きたいと思う方でも構いません。入社後は、新卒者であれば3ヶ月程度かけて、すべての部署で研修を行います。建築土木や環境事業、多岐に渡る分野で活躍する石灰製品の製造という仕事のフィールドと可能性は広く、やりがいを感じられると思います。
仕事を楽しむために、バックグラウンドを広げる経験を学生の間にしておくことが大切だと思います。旅行に行くのも良いでしょうし、本をたくさん読んでおくことも良いでしょう。様々な経験を通して自分自身を成長させて欲しいですね。
- 企業データ
古手川産業 株式会社
WRITER
- 嶋山 哲史記事一覧
上京する仲間を見送り、彼らより充実した仕事、暮らしをココ(大分)で叶えると誓った20代。寝る間も惜しんで働き、遊んだ20代。下積み活きてきた30代。あっという間に40代。一所懸命生きていると自ずと自分の道が見えてくる…? しんけん働こう。