
おおいたではたらく
2025年07月25日
建築女子から鉄骨設計のプロへ。図面に情熱をこめて
博陽工業株式会社若手社員
工業系の企業で設計を担当する若手社員を取材すると聞き、作業着の男性が登場するのかな? と想像していたのですが、迎えてくれたのは笑顔がはじけるチャーミングな女性でした。 今回お会いしたのは、建築鉄骨を製造する企業で設計を担当する川上 優羽(かわかみ ゆうは)さん。学生時代の進路選びから仕事のやりがい、休日の過ごし方まで、等身大の言葉で語ってくれました。
お邪魔したのは、こちら!!
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博陽工業株式会社
https://oita-jobpark.jp/companies/5088
博陽工業株式会社は、建築鉄骨の製造を手がける1947年創業の老舗企業。本社のある熊本と大分を拠点に、鉄鋼構造物の設計施工や鉄骨を主体とする綜合建設工事の設計施工、一般鉄鋼製品の販売を軸に、全国の大型商業施設や大規模建造物などのランドマーク建設等を支える鉄骨構造のプロフェッショナルです。
お話を伺ったのはこちらの方。
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- お名前
- 川上 優羽(カワカミ ユウハ)
- 所属部署
- 生産企画本部 設計部
- 入社年
- 2022年
- 出身地
- 大分県大分市
- 出身学部
- 大分県立鶴崎工業高等学校 建築科
専門的な学びと仕事に惹かれて選んだ「設計」という道

ものづくりに興味があり、「一つのことを極めてみたい」と高校では建築科を選択した川上さん。専門教科は深く知りたくなるものばかりで、成績は上位を狙いたい!と、たっぷり出される課題もしっかりこなし、試験勉強にも余念がなかったそう。建築にかかわる資格試験にも挑戦し、施工管理技術者やフォークリフトなど、数々の資格に合格。また学問と並行して、部活動ではハンドボール部のマネージャーを務めていたとのこと。メンバーが練習に集中できるようにサポート役に徹し、周りへの配慮や気配りする力も養われ、たくさんの学びのあった高校時代を過ごしました。
2年生からはインターンシップもはじまり、具体的な進路に向かって準備をする人が増えてくる時期。クラスメートの多くが目指すのは現場監督でしたが、川上さんは「正直、私には向いてないかも…」と感じていたそう。
「進学をすることも考えましたが、しっくりくる進路が浮かばず、就職なのかなとぼんやり考えているぐらいでした。ですが、求人票を見てもピンとくるものがなくて。そんな時に目に留まったのが鉄骨設計という職種でした。授業では木工建築の勉強が多く、“鉄骨業”についてはあまり習っていなかったこともあり、逆に面白そうだなって思ったんです」と、設計の授業が好きだった川上さんは、すぐに博陽工業の職場見学へ行きました。
「社員の皆さんがとても優しくて、ものづくりの現場の温かい雰囲気を感じました」と、現地で体感した職場の心地よさが自分にぴったりだと感じたという川上さん。そこで博陽工業の入社試験を受けることを決心しました。
3DCADを使って建物の骨組みを描く
専門性の高いものづくりの世界に憧れ、晴れて博陽工業へ入社した川上さんの現在の仕事は、建物の鉄骨部分の設計。3DCADというソフトを使って立体図を作成し、現場で施工しやすいよう図面を整えます。クライアントとの打ち合わせに同席することもあり、図面の説明をすることも。
「入社当初は専門用語だらけで大混乱でした。上司に質問すると、専門用語で答えが返ってくるんですよ(笑)。でも上司をはじめ、職場の皆さんが本当に優しくて、質問もしやすい。安心してチャレンジできる環境なんです」。

鉄骨の穴の位置やボルトの数など細部まで管理。小さなミスが現場に大きく影響するため、重い責任を感じながらも、“見えない仕事”にやりがいを感じているそう。
「建物を支えるサポート役だけど、感謝されるとやっぱり嬉しいですね。学生時代のマネージャーの経験は今の仕事にもつながっているかもしれません」と川上さん。地道な努力が今に生きています。
完成した建物を見に行くことが最高のご褒美
川上さんの職場の定時は8時から17時。忙しい時期は多少の残業もありますが、基本的にプライベートとのバランスが取りやすいのが魅力。
休日は大分県内をドライブしたり、カフェ巡りを楽しんだり。
「別府や湯布院で食べる温泉卵が大好物で、“温泉卵巡り”ってくらい食べ歩いています(笑)」とのこと。大分ならではのほっこりしたライフスタイルには、地元で働く良さが詰まっています。
また旅行が趣味の川上さんは、自分が仕事で関わった建物がある場所を旅先に選んで、見に行くこともあるそう。以前も大阪に行った際に完成したものを見たそうで、「自分の図面が生かされているんだ」と感慨深くなったのだそう。

職場の温かさと福利厚生、どちらも自慢です!
「博陽工業の良さは、“人の温かさ”と“しっかりした制度”の両立です!」と川上さん。キャリアアップのための研修や、グループ会社で活用できる独自の社内大学制度、借上社宅制度では家賃の50%を補助(35才まで、金額に上限あり)など、福利厚生の手厚さを実感しているとのこと。女性社員も多く、産休・育休の取得も可能。男性の育休も推奨されています。
仕事以外では、社内イベントが盛りだくさん! 社員旅行やバーベキュー、ボウリング大会などのイベントがあり、職場の人と仲良くなれる機会がたくさんあるところが川上さんのお気に入りポイントです。


視野を広げて、思いがけない職種に出合えるチャンスをつくる
これから就活に取り組む学生さんに向けて、川上さんからこんなメッセージがありました。
「専門的な学科に在籍していると、“この分野しか選べない”と思い込んでしまうかもしれません。でも、いろんな説明会やインターンシップに行ってみてほしい。知らなかった仕事に出合えて、“ここだ”と思える会社が見つかるはずですよ!」。
ちょっと違う角度から興味を持てる仕事に出合えた川上さんの言葉、説得力がありますね。
いつか一人で一つの工事を任される存在に

川上さんの今後の目標は、一つの工事をまるごと任される存在になること。そのために、CADのスキルを磨くだけでなく、他の設計ソフトにもチャレンジしたいと意気込んでいます。そんなポジティブな川上さんについて、取材時に工場内を案内してくださった上司の方に話をうかがうと、「川上さんは問題解決のために自分で考えて行動できる人です。だから仕事の吸収も早いんですよ」と教えてくれました。川上さんの人柄や伸びしろを、社内の皆さんも注目しています。
「最初は不安だったけど、今は本当にこの仕事に出合えてよかったなと思っています」と、特に工業系の進路に迷う女子学生にもこの気持ちが届いてほしいと話す川上さん。設計という道で、まっすぐにキャリアを積み重ねている川上さんの姿が、その答えになるはずです。
- 企業データ
博陽工業株式会社
WRITER
- 牧 亜希子記事一覧
planner/writer。特に大分県の観光情報が得意な自称「勝手に大分県の魅力案内人」。友人からのリクエストで旅行プランを立て、アテンドすることも。 特技/取材や撮影に行くことが多いにもかかわらず、「超」が付くほどの雨女。私の行き先ではかなりの確率で降らせます。取材先の皆様、ご了承くださいませ。