思うようにいかなかった就職活動と出会い

「今は本当に仕事が楽しくて仕方がないんですよ」。
そう語るのは株式会社蜂の音で働く、中田さん。小学生の頃からサッカーを楽しむスポーツ少年でした。高校を卒業後、大学へ進む意義を感じられなかった中田さんは就職を決意。
「早く社会に出て自分の力で稼ぎたかったんですね。色々な職場体験もしましたけど、いまひとつピンとくるものがなくて悩んでいました」。
将来を考え、手に職を付けたいという思いで工業系の高校を選び学んだ中田さんでしたが、鮮明な目標もなく、就活も思うようにいかなかったと言います。そんな中田さんに声をかけたのは、昔から養蜂業に携わっていた父親でした。
「少し仕事を手伝ってと言われて初めて現場に行ったんですけど、その時本当に楽しくて。こんな仕事があるんだと新しい発見でした」。

その経験をきっかけに現在の蜂の音に入社。もちろん初めての就職、職種でしたが周りの人に恵まれてすんなり馴染めたと当時を振り返ります。
「入社する前に、ニュージーランドの「マナカイハニー」という会社へ1年間研修に行きました。マヌカハニーなどで有名な場所で養蜂の基本を学びながら、実際に働き多くの事を教えてもらいました。英語が話せなくて苦労しましたけどね（笑）」
いきなりの海外研修でしたが、持ち前の明るさで乗り越え、今年入社3年目を迎えた中田さん。主に現場で巣箱作りや種まきなど、みつばちが元気で健康に育つ環境作りから、はちみつの充填作業まで一通りの仕事をこなしています。

「蜂の音」の名前を胸に、成長し続けたい

「自分の手がけた商品がお店に並んでいるのを見たり、お客様が手にとってくれている姿をみると本当に嬉しいです。これから、“はちみつといえば蜂の音”と言われる会社になるために、大手にも負けない仕事をしていきたいですね！」
春の間は忙しく早朝から現場に出向かなければいけない事もあるとはいえ、毎日の仕事が楽しいと笑顔を見せる中田さん。上司である甲斐さんは「今の若い人たちは仕事に対しても受け身の姿勢が多い中で、中田くんは何事も積極的なんです。自分から動いてくれるので感心しますね」。

“仕事が楽しい”という言葉の裏には、中田さんのこの仕事に対する大きな愛とももう一つ、高校サッカー部の恩師からの教えがありました。
「１つの言葉で２つも３つも理解し動ける人であるよう、人間力に関する多くの事を教えてもらいました。その時の教えは今の自分の基本になっているのかもしれませんね」。
家族や上司、恩師からの言葉をまっすぐに受け入れる中田さんの素直な心が、今働く上での姿勢に繋がっているのかもしれません。

おおいたで働く理由・魅力について

生まれ育った土地なので住みやすさも当然ありますし、友達も地元に多くいるのでそこは大きな理由かもしれません。自分自身も人の多い場所は苦手ですし、大分は食べ物も美味しくてやっぱり好きですね。

学生さんへのメッセージ

高校や大学で選んだ学部に沿って就職を探す人が多いと思いますが、本当に自分がやりたい仕事は何かを、一度考え直すのも大切な事かなと思います。僕も何気ないきっかけで想像もしてなかった仕事に就きましたが、今の仕事が本当にやりたい仕事だと胸を張って言えます。ひとつの概念に捉われず、色々な世界を見て本当に就きたい仕事を探してみてくださいね。