おおいたではたらく
2018年11月30日
株式会社 江藤製作所若手社員
2018年10月29日、JAXAの種子島宇宙センターでH-ⅡAロケット「いぶき2号(GOSAT-2)」が打ち上げに成功しました。これに搭載された地球低軌道環境観測衛星「てんこう」の外部構造、つまり車でいうボディの部分をつくったのが江藤製作所。そのプロジェクトリーダーを任されたのは、なんと、入社1年目の甲斐翔大郎さんでした! いきなりの大役を果たした彼に、心境をお伺いしました。
お邪魔したのは、こちら!!
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株式会社 江藤製作所
大分市に本拠地を置きながら、全国に通用する技術を誇り、化学・医療・製造・宇宙開発などの幅広い分野にプラントや設備機器を提供しているモノづくり企業です。超ベテランが若者に技術を継承している貴重な職場。女性の技術者も活躍しています。
お話を伺ったのはこちらの方。
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- お名前
- 甲斐 翔大郎
- 所属部署
- 化工事業部品質グループ
- 入社年
- 2017年4月
- 出身地
- 宮崎県日向市
- 出身学部
- 日本文理大学 工学部
メジャーリーグで大谷翔平選手が新人王に輝くという快挙が飛び込んできましたが、そんな大谷選手と同い年の、キラリと輝く星を発見!
江藤製作所に入社して2年目の、甲斐翔大郎さんです。
甲斐さんは、子どもの頃から車や機械が大好きな少年で、工業高校に進学。日本文理大学でも工学部でモノづくりのいろはを学び、就職サイトで江藤製作所のことを知りました。魅力的だと思ったのは、一つひとつの部品をこだわりながらつくっていたところ。自分もその一員になりたいと思ったそうです。
晴れて入社の日を迎え、職場にも慣れてきた夏のこと、社長と一緒に九州工業大学に行くことになりました。小型環境観測衛星「てんこう」の打ち上げプロジェクトについて、プレゼンテーションが行われたのです。宇宙放射線の観測を目的としたこのプロジェクトに、「我が社の技術を応用できる」と参加を決めた社長から、甲斐さんはその場で「君がメインでやってくれ」と依頼されたとか。
「そう言われた瞬間は、すごいことができる!夢がある!と思って舞い上がったんですが、冷静になってみるとものすごいプレッシャーが襲ってきました(笑)」。
手がけることになったのは、衛星の外部構造。つまり車でいうとボディの部分です。自分で設計を担当するのは初めてで、しかも同社では今まで扱ったことのない炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を採用することになり、過酷な宇宙の環境に耐えられる条件もクリアしなければなりませんでした。とにかく、わからないことだらけ!
「よく叱られました(笑)。何を反省すべきだったかって、わからないことを自分で解決しようとしたこと。社長をはじめ周りには教えてくれる人がたくさんいるのに」。
失敗しながら、ベテランの先輩たちに温かい指導のおかげで、1年をかけて完成までやり遂げました。
神品社長が甲斐さんを抜擢した理由の一つが、「凝り固まった頭で考えるのではなく、柔軟な発想ができると思ったから」。そして社長は、彼の持ち前の粘り強さも見抜いていました。「てんこう」のプロジェクトを通じて、さまざまな物の見方を学んだという甲斐さん。種子島宇宙センターで見届けた打ち上げの光景は、ただただ「わ、すげー!」としか言葉が出ないほど、感動的だったそうです。「こんなプロジェクトに関われるとは思ってもいなかったですけど、打ち上げを見て、いずれはまた関わりたい。そのためにも技術力を磨きたい」と次なる夢を話してくれた甲斐さんでした。そして、学生さんたちにこんなメッセージも。「どれだけ大学で勉強しても、会社に入ればゼロベース。いちから仕事を覚えていかなければなりません。だから、素直な気持ちを大切に」。
- 企業データ
株式会社 江藤製作所
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佐伯市生まれ大分市育ち。大学で関西へ、就職で東京を寄り道してから大分へUターン。地元雑誌社勤務ののちフリーランスに。「帰っても仕事がない」なんて言ってる人に、大分にもスゴい会社、スゴい人がたくさんいることを伝えたい!