おおいたのしゅうかつ
2023年12月22日
身近な課題をクリエイティブに解決 「デザイン思考ワークショップ」dot.イベントレポート
これまでカテテで何度も取り上げてきた、就職支援施設『dot.』。
dot.のイベントは、大分県内企業や大分にゆかりのある社会人等を講師に迎え、学生に人生観や価値観・仕事の魅力のほか、就職活動に役立つ知見等を伝えることで、学生の職業選択の視野を広げることを目的に開催しています。
今回「デザイン思考ワークショップ」なる、面白そうなイベントが開催されると聞きつけ、潜入取材してきました!
dot.では就活やキャリア形成に関するイベントを多数開催していますが、「dot.って 実際どんなイベントをしてるの?」と思っている方、必見の内容です!
課題をデザインの力で解決する
商品のパッケージやチラシ、webサイトを見て、ついつい商品を手に取ってしまった経験はありませんか?世の中にはたくさんの「デザイン」された作品が溢れています。
一方で、「私、デザインの仕事に興味はあるけど…センスがないんです」というお悩みもよく聞きます。
でも実は、デザイナーって、ただセンスがあるだけじゃないんです。
届けたい情報を整理する。
届けたい相手を考える。
さらに、顧客の課題そのものと向き合い、一緒に解決を目指すことも。
デザイン思考を身近に感じて
イベントを企画したのは、九州大学4年生の
この日のゲストである、越田さんのイベントに参加して学んだ「デザイン思考」の魅力をたくさんの人に広めたいと企画したとのこと。
得津さんは福岡のデザイン会社へ内定していて、春からはデザイナーとして働くそうですよ。
ゲストは、クリエイティブディレクター・デザイナーの
大分県デザイン協会 副会長を務めるほか、株式会社 design totte代表取締役として、企業ブランディングやイラストレーション・WEB・システム・店舗などさまざまなデザインの分野で活躍されています。
「デザインは顧客の課題をクリエイティブの力で解決するもの。参加者のみなさんにデザイン思考をより身近に感じてほしいですね!」
デザイン思考とは?
まず冒頭で、今回のメインテーマとなる「デザイン思考」とはどういうものなのか、得津さんから説明がありました。
デザイン思考とは…
- ユーザーの困りごとから始まる
- プロセスを行ったり来たりする
「デザインにもさまざまな考えがありますが、デザイナーの思考・プロセスが『デザイン思考』だと思っています。また、デザイナーはセンスが一番必要だと思われがちですが、人の気持ちに寄り添うことや、どうやったら喜んでもらえるかを考えることが大切です」と、得津さん。
得津さんの説明に、真剣な表情で聞き入るみなさん。
中には細かくメモをとる学生も。
「デザイン思考」について学んだところで、続いてグループワークが行われました!
商品のデザインを考えよう
3〜4人で1つのチームを作り、グループワークを始めます。この日は全6チームができました。
各チームに配られているお客さまカードを使いながら、商品のデザインを考えます。デザインを考える商品は、なんと「スプーン」。
得津さんからは、下記のようなアドバイスがありました。
- インターネットで調べてOK
- スプーン自体のデザイン(色や形)はもちろん、商品として売り出すことも考える
- シチュエーションや体験なども含めてデザインする
各チームに配られたお客さまカードには、名前や年齢・性別だけでなく、家族構成やどんなスプーンが欲しいのかなどが詳しく記載されていました。
カードの情報をもとにして、オリジナルのスプーンをデザインしていきます!
中間発表!各チーム発表での様子
チームごとに考えたスプーンのデザインを順番に発表し、越田さんから改善ポイントなどを盛り込んだ丁寧なフィードバックがありました。
この時点では、各チームごとの進捗にばらつきが。越田さんのフィードバックをもとに、最終発表に向けて話し合いを進めます。
緊張の最終発表
ホワイトボードや用紙にスプーンのデザインや細かなポイント・アイデアを書き、スクリーンに映し出しながらいよいよ最終発表!
具体的で、工夫を凝らしたアイデアがいくつも出ていましたよ。
実用化できるレベルが揃う
最終発表を聞いた越田さんからは「はじめてとは思えないほど、素晴らしかったです。中間発表のフィードバックを生かして完璧にゴールしていましたね。みなさんのアイデアは全部実用化できるくらいのレベルですよ!」と驚きのコメントが。
越田さんにとっての「デザイン思考」とは
続いて、さまざまな事例をもとに「デザイン思考」とは何なのか、その実践方法などを学びました。
「僕らがやっているデザインの仕事は、大きく分けて『気付く』『考える』『作る』の3つに分かれます。デザイン思考は、この中の『気付く』『考える』の部分をとても大事にしています。ここがしっかりとできていれば、『作る』は自ずとできてくるんです。今回のワークショップを通してそのことを感じてもらえたんじゃないでしょうか。デザイン思考のイメージも掴んでもらえていたら嬉しいですね」。
「デザイン思考はいつでも使えるもの。仕事でも役立てることができるし、自分の人生を変えることもできる。多視点で判断していくことや、ブランディングにも使える。みなさんも自分達がデザイン思考を持っていることがしっかりと証明できているので、ぜひこれからもその思考を活かしていってほしいです」。
越田さん、ありがとうございました!
イベントに参加した、学生2人に感想を聞いてみました。
福岡県北九州市出身
中村学園大学栄養科学部 3年
はじめは緊張していましたが、グループワークを進めていくにつれて、初対面の人とコミュニケーションを取ることが楽しくなりました。アイデアを出し合って一緒に考えるという経験は、私にとってすごく貴重な経験でした。デザインってこういう世界なんだということを知るきっかけにもなったので、参加してよかったです。またイベントにも参加したいし、いろんな人に紹介したいと思っています。
大分県玖珠郡玖珠町出身
久留米大学経済学部 1年
スプーンのアイデアを考えるって最初は難しいなと思ったんですけど、だんだんチームの意見がまとまってきて最終発表を終えた時は達成感がありました。越田さんのお話も心惹かれるものがあって、プロの仕事の流れを実際に見られてよかったです。将来の夢や就職についてはまだ模索中ですが、これからdot.に通って自分のやりたいことを見つけていきたいと思います。
イベントの主催を勤めた得津さんにも、お話を伺いました。
得津 京佳さん
広島県出身
九州大学共創学部 4年
自分の伝えたいことを言語化したり、情報を整理して伝えるところなどイベントの設計自体が「デザイン思考」みたいだなと思っています。みなさんが盛り上がってくれたのが、成果にも繋がって手応えを感じました。
スプーンをデザインしてみようというアイデアを思いついたのは、シャワーを浴びているとき。使ったことのある身近なもので考えようと思って。「自分はどんなときにスプーンを見ているだろう、プレゼントするタイミングっていつかな?」という所から調べて、お客さまカードを作っていきました。
イベントのテーマでもある「デザイン思考」は、日常生活はもちろん就活にも役立つものだと思います。これをきっかけに、みなさんにとって「デザイン思考」がもっと身近なものになれば嬉しいです。
あらゆるシーンで活かすことのできる「デザイン思考」という考え方を、楽しく学べるいい機会になったのではないでしょうか。
イベントに参加して、デザインを勉強してみたくなった!という学生の声もありました。
今回の参加者は19人中16人が、dot.に来るのがはじめてという中での開催。最初は少し緊張している様子でしたが、グループワークを通して距離が縮まったようでした。
こういう出会いがあるのも、dot.ならではだと感じます。
dot.では、今後もさまざまなイベントを企画しているそう!
ぜひチェックしてみてくださいね。
WRITER
- 日名子 真衣記事一覧
猫とパンを愛してやまないママライター。食べ歩きと写真を撮ることが趣味です!美味しいものを探して、相棒のカメラと一緒に大分県内を旅します。将来の夢は、縁側のある家で猫とのんびり暮らすこと。