おおいたではたらく
2022年08月12日
ITを通じてモノと人の架け橋へ 株式会社 BIOISM代表取締役社長
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- 業種
- 情報通信業
2014年5月設立。IoT・AIを活用し、ごみ収集業務の効率化を牽引しています。2020年には「第18回おおいたビジネスオブザ・イヤー」や「第17回大分県ビジネスプラングランプリ 最優秀賞」を受賞、2021年には経済産業省中小企業庁の「2021はばたく中小企業・小規模事業者300社」へ選定されています。
社長インタビュー
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- 企業名
- 株式会社 BIOISM
- お名前
- 髙橋 幸司(タカハシ コウジ)
- 役職
- 代表取締役社長
わたしたち
弊社の主力製品はGIS(地理情報システム)を活用したクラウド型の家庭系ごみ収集車両運行管理システム「Waste Navi-G」です。こちらは簡単に言えば『収集運搬業務の見える化』をしています。収集運搬車両が朝出発してから戻るまで、どこで何をしているのか、どこを通っているのかが見えるようになっています。当初、業務を見える化するというと運転手に嫌がられました。しかし、年々積極的にデータを収集したいというニーズが高まってきています。収集ルートに無駄がないか、運搬車が適正な台数なのかなど、業務管理ができる。委託する自治体にとってはコスト削減ができ、その分を別の住民サービスに使うことができます。
現場で経験することを大事に
具体的にご説明すると、運搬車にGPS機能付きタブレットを取り付け、クラウドを通してリアルタイムにどこを通ってどこで収集したかがわかるようになっています。事務所と車両間だけでなく、車両間同士でもリアルタイムに情報共有ができます。例えば収集をし忘れていた場合にご指摘が入ったとしても、すぐにどの場所が漏れていたのかがわかるようになっています。
このシステムを作る上で一番大事にしていることは、現場の方に話を聞くこと、そして経験をすることです。実際に私も運搬車に同乗し、ごみ収集をしました。いろんなルールがあり、経験して初めてわかることがたくさんあるんですよ。そこで得た情報を反映させています。だからこそ、数字や地図データだけに偏っていない、現場の方々にも喜んでいただける弊社独自のシステムだと自信を持っています。
2022年5月25日~27日『2022NEW環境展』
先頭を走り続ける企業へ
ごみを取り巻く課題は多岐に及びます。 昔はゴミ捨て場を管理する自治委員さんがいましたが、都会にいくほど管理する人はいません。都市によって出す時間帯も違います。現状を把握して、都市の課題に沿ったご提案をするようにしています。 またごみの種類によっても課題は変わってきます。例えば生ごみは長く放置すると荒らされる場合があるので、収集をより無駄のないルートにする必要があります。
6月より株式会社minsoraが提供するセンチメートル級精度の位置補正情報配信サービス「CLARCS」を使い、より精度が向上した「廃棄物収集車両運行管理システム」の提供を東京都や神奈川県など日本各地の自治体で開始いたしました。CLARCSが社会実装されるのは、初めてとなります。これによりさらに収集ルートの最適化や業務の効率化が期待できます。
追手門学院大手前高等学校様の探求旅行にて共同プログラムに参加
将来的には運搬車の自動走行も視野に入れています。自動走行ができるようになれば人材不足の課題も解決できるかと思います。自動走行となった場合でも弊社のシステムであれば、人が乗っていた時と同じルートを自動で走ることが可能です。人口減少により労働者が不足したとしても、ごみがなくなることはありません。むしろさらに様々な課題がでてくるかと思います。わたしたちのようなスタートアップ企業は誰もやってないことをやって、先頭を走り続けていかなければなりません。今後もいろんな分野に関心をもち、新たなチャレンジを続けていきます。
求める人材について
向上心のある方に来て欲しいですね。今の若い方は与えられた中で変化がなく暮らすことがよいと考えているような気がします。自分がどうなりたいのか、向上心を持ち、そこに向かって目指すこと。これはすごく大事なことだと思います。先輩である私たちはそれを支援していく。最終的には、ロボットができる事は全て置き換わっていきます。そのときに人間は何をするのか。私は人とコミュニケーションをとるコンサルティングじゃないかと思います。ITを通して業務の課題を通訳するのが我々の仕事です。自分の哲学を持ち、どれだけ情熱を持って取り組めるのか。できない理由をいうのでなく、どうやったらできるのかを考えられる人と一緒に働きたいですね。
学生のみなさんへ
1つのことにこだわりを持って一生懸命チャレンジしてみてください。これからどんなことが起こるのか想像もつかない世の中と思いますが、一度壁にぶちあたるのも大事なことなんです。一度も壁にぶつかったことがないと、ちょっとした挫折でつまずいてしまいます。壁に何度かぶつかっていると、這い上がる力がついてきますし、こんなことなんでもないと思えるようになってきます。私も今まで何度も壁にぶつかってきました。でも一生懸命にがんばっていれば、そのとき必ず人が助けてくれます。家族や友達、職場の仲間、お客さまなど、今も周りのいろいろな人に支えてもらっています。とにかく頭で考えて無理だと諦めるのではなく、まずは行動してみてください。
- 企業データ
株式会社 BIOISM
WRITER
- KANCO記事一覧
美味しいもの、猫、温泉、旅行が好きです。子供のころは久住の大自然の中で育ちました。福岡に住んだこともちょこっとあり。大分の行ってないところ&食べていないものを発掘中。