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おおいたをたのしむ

2016年04月28日

空き家に明かりを灯す。『A・KA・RI』(臼杵)

お話を伺ったのはこちらの方。

  • 空き家に明かりを灯す。『A・KA・RI』(臼杵)
  • 地域密着型コミュニティハウス
    『A・KA・RI』

    吉澤 太郎さん
    1986年6月6日生まれ 29歳

“大分の良さ”とは!?

 そんな問いかけをされて、ビシッと答えられる大分県民がどれだけいるでしょうか?
長く同じところで暮らしていると、その場所の良さについての実感や改めて考えることさえ無くなってしまいます。
これといって不満などないのですが…。愛すべき人たちがたくさんいること、これが地元を愛する理由なのだろうと思います。

 最近では、大分県に移住してきている方が増えているそうです。なんでまた?と考える人がいるのも頷けます。
『仕事は?』、『住むところは?』、『生活は?』と矢継ぎ早に聞きたいことが湧いてきます。
大分で暮らし続ける人間が、大分の“良さ”についてちょこっと触れてみる“ちょこっとおおいた”。
様々なシーンで、ケースで大分の良さを再認識させてもらいましょう。

空き家に明かりを灯す。『A・KA・RI』(臼杵)

 臼杵市の中心部から車で約10分。田んぼに囲まれたのどかな集落に住む吉澤太郎さん。2014年6月に臼杵市に移住してきました。「大分に住むことが念願だった」という吉澤さん。彼は、どう働き、どう暮らし、どうして大分に来たのでしょうか。

 「初めて大分に来たのは、大学への進学です。それまでは、九州にすら上陸したことがありませんでした」と語る吉澤さんは、東京都出身。立命館アジア太平洋大学への進学で初めて大分の地を踏みました。大学での生活や地域の方々とイベント等を通じて、大分の街に人に触れ“魅了”され「温泉も大好きですし、卒業しても、ここで暮らしたい、ここに残ろう」と考えるようになったそうです。

空き家に明かりを灯す。『A・KA・RI』(臼杵)

 しかし、卒業までに大分での生活の基盤を構築することができず、地元東京で広報関係の企業に就職。もちろん、広報の仕事もやりたかった仕事だったそうです。であれば、誰しもそれで良いじゃないか!!と思いがちです。しかし、吉澤さんはそうではありませんでした。「休日はもっぱら大分でどう生活するかの情報収集をしていました」と語る吉澤さん。インターネットや情報誌だけにとどまらず、実際に大分を訪れて、知人や行政から情報を集め、自分にもっとも適した移住の仕方を模索していたそうです。大分熱は冷めるどころか、加熱していった様子。「両親もいずれ、(大分に)行くんだろうな。と半ばあきらめのような感情だったようです」と笑みをこぼしました。

空き家に明かりを灯す。『A・KA・RI』(臼杵)

 現在、吉澤さんは総務省の制度【地域おこし協力隊】で臼杵市の協力隊第一号として2014年から活動しています。地域おこし協力隊は、利用する各自治体によって活用の仕方が違うようですが、臼杵市において吉澤さんは、U・Iターンを考えている方に向けた広報活動や、希望者向けの体験ツアー企画、サポート業務などを行っているそうです。

 移住というと、定年後の田舎暮らしというキーワードがすぐに浮かびます。悠々自適にのんびりと…そういうイメージを体現する方もまだまだいらっしゃるようですが、最近では、比較的若年層の方も増えてきているとか。「30代半ばの方が、子育てを自然が身近なところでしたい。また、就農をしたい。という方も少なからず増えているのは確かです。臼杵市は有機農業に力をいれているので、そこは注目されているようです」と吉澤さん。独立や隠居生活以外でも、大分市に隣接しているので、臼杵に住んで、大分市内に通勤するというのも充分可能。現役世代の方が、移住しやすい場所ともいえます。

空き家に明かりを灯す。『A・KA・RI』(臼杵)

 移住当時はまだ空き家バンク制度が整っておらず、人の紹介で見つけた吉澤さんのお宅は、大きなお屋敷。ここを拠点に地域おこし協力隊の活動以外にコミュニティハウス『A・KA・RI』を運営しています。移住の相談窓口的な活動や地域活動を通して、多くの方が、ここを尋ねているそうです。移住に興味のある若者にとって、相談できるところが、行政以外にあり同世代の感覚で相談できるのは、非常にありがたいことなのでしょう。「ここに引っ越してきてから、ご近所さんとの付き合いも大切にさせていただいています。ご挨拶に行ったり、飲み会に参加させてもらったりする中で「空き家だったあの家に灯りがついて良かった」と言われたんです。受け入れられたようで嬉しかったです。コミュニティハウスの名前もそこからつけたんです」という吉澤さんの話を聞いていると、地域おこしの原点を垣間見た気がします。まずは、人が住むこと。人は力です。数の力をアイデアで超えるのは非常に難題。そこに住むというのは、地域おこしには欠かせないファクターなのだと感じさせられました。

空き家に明かりを灯す。『A・KA・RI』(臼杵)

 地域おこし協力隊の任期は3年となっており、吉澤さんの任期は2017年まで。「任期が過ぎても、臼杵市に残りたいと思っています。そのために、残れる方法を探していかなければ」と意欲的です。「僕は、温泉も好きですし、仕事を通じて、様々な人に出会い、人生を豊かにする勉強をさせていただいているなぁと感じています。移住することは、どの年代の方にとっても大きな決心です。焦らずに制度や行き先をじっくりと調べて欲しいですね。“ここに来て良かった”と心から思えるような準備をしてほしいです」と、移住を考える方に向けて、吉澤さんからのメッセージ。今いる場所、環境のなかで、自分自身を変化させることは、なかなか難しいことだと思います。物理的な変化をさせることで、自分自身を変化させる。そうした考え方もアリなのではないでしょうか? 

A・KA・RI

臼杵市の地域おこし協力隊の拠点のほか、臼杵地域内外の様々な方が“フラッと”に交流できるプラットフォームとして、運営。

住所:〒875-0022 臼杵市大字末広3116-1
電話番号:070-1296-0908
mail:akari.since2014@gmail.com

WRITER

  • 嶋山 哲史
  • 嶋山 哲史記事一覧

    上京する仲間を見送り、彼らより充実した仕事、暮らしをココ(大分)で叶えると誓った20代。寝る間も惜しんで働き、遊んだ20代。下積み活きてきた30代。あっという間に40代。一所懸命生きていると自ずと自分の道が見えてくる…? しんけん働こう。

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