おおいたをたのしむ
2020年09月18日
“旨味多家”が「美味しい幸せ」をお届け! 乾しいたけの新ブランド「うまみだけ」誕生。
可愛らしい “旨味多家(うまみだけ)”のキャラクターたちがPRしているのは、2020年2月に発表された大分県産乾しいたけの新ブランド「うまみだけ」。
今まで乾しいたけは形状(かさの開き方)により分類されていましたが、品種ごとに成分や味に特徴があることから、今回数種類の品種の中でも味や香りなどに個性がある4品種を商品化。
「うまみだけ」というブランドとして打ち出しました。
全国初の取り組みであるということも興味深いですが、面白いのはそのキャラクター。
今回は「うまみだけ」誕生の背景とともに、可愛らしいしいたけのファミリーたちが生まれた制作秘話についてもご紹介します!
全国初の取り組みを盛り上げる、愛らしいキャラクター!
今回お話を伺ったのは、写真左から、大分県林産振興室 江藤愼誠さん、プロモーションを担当した九州博報堂の金子陽子さん、キャラクターデザインを手がけたデザインマップの長門敦さん、上野めぐみさんの4名。
早速「うまみだけ」が生まれたきっかけについて教えていただきました。
– 江藤さん
「乾しいたけの家庭消費量は過去10年で半分程度までに落ち込んでいます。大分県を代表する特産品でもありますから、消費量をなんとか増やしたいという思いがありました。そこで今回消費者ニーズの高い新商品を打ち出そうということになり、九州博報堂さんやデザインマップさんにご協力をいただきました」。
– 金子さん
「家庭消費量が減少していることの原因として大きいのが食生活の変化。年配の方は料理の出汁を取るために乾しいたけを購入するという方が多いのですが、若い世代の方はスーパーにある便利な出汁の素を使うという方が多いんですね。若い世代の方に購入してもらうためにはどうするか、品種を分けて販売することによって、出汁以外の用途、例えば乾しいたけが主役級になるような椎茸ステーキやハンバーグなどの料理で使えるという提案ができるのではと考えました」。
従来乾しいたけの販売は、前述したようにかさの形状によって分別されていたため、パッケージの中に多品種が混ざった形で販売されていました。そのため、一つ一つ戻す時間が違ったり、味や香りが違ったりということがあったのだそう。
今回の新ブランドでは、ワインやコーヒーが銘柄ごとに販売されているように、乾しいたけも味や香りに特徴のある4つの品種を取り上げ、わかりやすいキャッチコピーをつけて販売。消費者が手に取りやすい商品が誕生しました。
全国初の取り組みを盛り上げる、愛らしいキャラクター
「品種の分類をしただけでは乾しいたけの魅力を知らない人たちにアプローチするのは難しい」、そこで金子さんが考えたのが、子どもたちにとっても親しみやすいキャラクターを作ることでした。
– 金子さん
「乾しいたけは栄養素が豊富なことから、親子で食べて欲しい商品だなと思いました。しいたけをモチーフにした親しみやすい家族のキャラクターを作り、この子たちをアンバサダーにして知られざる乾しいたけの魅力を、伝えていこうと企画したんです」。
企画会議では“乾しいたけから連想して、ドライな性格が良いね”という話から、ドライなんだけど実は優しいというツンデレな女の子のキャラクターだったり、ドンコさんやコウシンさんといった、かさの形状の名前がついたキャラクターなど様々な案も出たそうですが、最終的に決まったのが、三世代五人家族の旨味多家(うまみだけ)でした。
– 長門さん
「『うまみだけ』は“家族を幸せにする乾しいたけ”というコンセプトなので、乾しいたけの魅力が未だわからず、“まだぼくの旨味はこれからなんだ!”と強がっている反抗期真っ只中の主人公“ぼく”と、優しく見守る家族というストーリーを考え、キャラクターを作りました」。
– 上野さん
「しいたけが育つ森の中に何本も原木があって、それが団地のように見えたんです。それぞれの家があって家族がある、旨味多家はその中の一軒と考えて作りました。ちなみに主人公にしている“ぼく”は原木の“ぼく”からネーミングしています」。
– 長門さん
「キャラクターも乾しいたけなので、よく見ると頭のかさの部分が、若い“ぼく”はシワが1本、世代によってシワが増えていって、一番立派なのはおじいちゃんおばあちゃん。ちゃんと干されて、味が出てくるというこだわりもあるんです(笑)」。
世代によってシワの数が違うなんて! ちょっとひねくれたキャラクターというのも、今の若い人に見向きされなくなっていた乾しいたけの自虐的な感情が垣間見えて面白いですよね(笑)!
しいたけが育つ環境や深い味わいをロゴマークに!
乾しいたけのパッケージといえば、筆文字のような力強い文字で商品名が書かれている・・・そんなイメージがありますが、キャラクターと同じく、うまみだけの可愛らしいロゴマークも親しみやすさのポイントとなっています。
– 長門さん
「ロゴのイメージはしいたけのかさのような感じで、シンボリックで記憶に残りやすいものにしました。文字も椎茸の丸さとか形を取り入れたようなロゴタイプで、タッチもクラフト感のある温かみのあるイメージに仕上げています」。
– 金子さん
「ロゴに使った色味も何度も検証しましたよね。最初はしいたけの茶色で考えていましたが、パッケージに貼ると、目立たなかったんです。そこで“幸せギュッと!”というキャッチフレーズで連想するような色で、さらに濃い味を表現できる濃い色味というオーダーをして。しいたけが育つ森の深い緑色に決まりました」。
– 上野さん
「“幸せギュッと!”というキャッチフレーズからは、シンボリックなマークも生まれました。原木しいたけの生え方の中で、1箇所に2、3個がギュッと寄り添って生えているものがあったんです。それが親子のような印象を受けたので、マークに採用しました」。
乾しいたけが生まれる森の中の風景や味わい、フォルムなどを取り入れながら、ひとりでも多くの人の元へ届くよう、作り手の思いが込められたロゴマークとキャラクター。
今後「うまみだけ」は、愛らしいキャラクターたちとともに全国へと進出していきます。
うまみだけで日本を元気に!
現在は大分県内のみで販売されている「うまみだけ」。これからは全国の有名雑誌とコラボして乾しいたけのレシピを打ち出したり、オンラインでも「うまみだけ」を購入できる環境を整備したりと、様々な施策を打ち出しながら、全国各地に販路を広げていくそうです。
– 金子さん
「『うまみだけ』は“家族を幸せにする”というテーマがあるので、食育にも力を入れています。今年はコロナ禍により自宅で過ごす時間が増えていることから、自宅で楽しめる“親子クッキングボックス”というのも考えているんです。旨味多家のストーリーとともに、乾しいたけの魅力を多くの人が知り、実際に口にしてもらえると嬉しいですね」。
– 江藤さん
「乾しいたけの生産は非常に手間がかかりますし、重労働で危険も伴います。その中で生産者の方は手塩にかけて一生懸命栽培されているんです。全国1位の品質と生産量を持つ大分の乾しいたけを全国の方に食べてもらいたい、手に取ってもらいたいというのが一番の願いです」。
年々消費量の減少や高齢化によって減少している乾しいたけ農家さん。今回の新ブランド「うまみだけ」が全国に広がり、乾しいたけの生産量・消費量が上がれば、生産者さんの励みにもなっていくのです。
様々な思いを乗せて誕生した新ブランド「うまみだけ」。
栄養たっぷり、旨味もギュッと詰まった乾しいたけをぜひ一度ご賞味あれ。
- うまみだけ取扱店
-
量販店 ※全てのうまみだけ(4品種)が購入できます。
トキハ本店、トキハわさだ店
直売所 ※店舗によって購入できるうまみだけ(品種)が異なります。
フレッシュパーク花野果(大分市)、百姓市場戸次店(大分市)、 道の駅なかつ(中津市)、イオン三光(中津市)、元気の駅(日田市)、 マックスバリュ豊後高田店(豊後高田市)、ふれあい市場安心院店(宇佐市)
乾しいたけ専門店 ※店舗によって購入できるうまみだけ(品種)が異なります。
大分県椎茸農業協同組合
大分市春日浦843-69 TEL:097-532-9142
(株)マルトモ物産
中津市一ツ松262 TEL:0979-24-7234
(株)やまよし
別府市西野口町2-2 TEL:0977-21-8111
(株)茂里商店
豊後大野市大野町田中2370-1 TEL:0974-34-2162
王将椎茸(株)
臼杵市野津町大字吉田1180-10 TEL:0974-32-4141
(株)徳丸商店
国東市武蔵町池ノ内401-2 TEL:0978-68-0070
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大分市出身。見たがり・聞きたがり・知りたがりの“たがり”精神で活動する、好奇心旺盛なライター&宅地建物取引士。不動産会社、出版社に勤めたのち、竹田市地域おこし協力隊として移住者支援を担当。久住の山々と星空が好き。だけど関あじはもっと好き。