おおいたをたのしむ
2017年12月15日
もっと、地元に愛とパワーを!
突然ですが、みなさんは「大分県」のこと、どれくらいご存知ですか?
かく言う私も大分に生まれ暮らして、はや何十年。豊かな自然と、美味しい食べ物がたくさんある自慢の街!けれどあたり前に生活していく中で、この街のことをそれほど深く考えたことはないのかも…。きっと私のような人は多いですよね?
実は大分市にある「NBU 日本文理大学」では、自分たちの街をもっと元気にしていこうという教育プログラムを実施。学生のみなさんが、ボランティア活動を通じて、地域活性化や若者たちへ街の魅力を伝えているそうです。今日はそんな若き力の源や、プロジェクトの内容を深掘り!
平成19年に発足した、その名も「人間力育成プロジェクト」。
「自分たちの力を社会に役立てたい!」という学生さんたちの熱い想いから、このプロジェクトは生まれました。
今日は様々なプロジェクトの中でも、過疎化や少子高齢化が進む豊後大野市の活性化に取り組む「豊後大野プロジェクト」チームのみなさん(調菜月さん、蓮井百音さん、堀江紗綾さん、賀原晶子さん、村田岳彦さん)にお話を聞いてまいりました!
そもそも、みなさんがこのプロジェクトに参加したきっかけを教えて下さい。
「高校時代にラグビー部に所属し、学校の清掃活動やボランティア活動をしていたので、大学でも続けていきたいと探していました」。
「入学してすぐに説明会のような“スタートアップセミナー”という合宿があって、そこでプロジェクトに所属している先輩たちの話を聞いて、やってみたい!と思いました」。
「私も先輩から、子どもたちとの触れ合いもあると聞いたので、いいなあと」。
取材に協力してくれた学生さんのほとんどはボランティア未経験者。先輩たちの話に共感した方が多く、その影響は大きかったようですね。(今年は後輩たちへ活動の魅力を伝え、多くの後輩たちがプロジェクトの仲間になってくれたそうです!)
主な活動内容としては、町の伝統行事やイベントの人的支援。過疎化が進む地方では、ひとつのイベントを実行するにも人手不足は深刻な問題なのです。
学生のみなさんは、町の子どもたちから地域を盛り上げていきたいと学生企画としてハロウィンイベントなどを考案。犬飼町の商店街でスタンプラリーを行うことで、大人と子どもの交流を深められればと思いつきました。
「課題に、大人と子どものコミュニケーション不足がありました。しかし、「イベントの参加をきっかけに子どもたちから挨拶してくれるようになりました!」と町の人からの話を聞くと本当に嬉しいですね」。
たしかに、今はご近所付き合いも希薄になってきて、会ったとしても挨拶程度。高齢者の方々に元気を与えるためにも、こういうイベントはとても大事かもしれませんね。
ほかにも、乾しいたけの生産量・消費量が全国一位の豊後大野市をもっとアピールしようと大分県椎茸農業共同組合と連携し、椎茸産業を若い世代へ伝えるための活動も。男子は「ほだ木」の整理や廃棄、女子は料理教室を開催し、椎茸を美味しく食べる調理法などをみんなで話し合います。この「豊後大野プロジェクト」のテーマのひとつに、地元の名産を子どもたちに知ってもらい、もっと地元を愛してもらおう、地元愛を育んでもらいたいという想いがあります。野外での活動はとても大変ですが、椎茸農家の方々の温かさにも触れ、学生たちにとっても貴重な体験になっているようです。
「椎茸は正直、地味な印象があるので(笑)アプローチを変えていかないといけない。若者に向けたSNSなどの発信も考えています!」
…ですねw椎茸は見た目は地味だけど、あんなに美味しい!ぜひ、ひと味違うアプローチをお願いします♡
学生たちの活動内容は実に様々。他にも、「どんこ釣り大会」、「川の港まつり」、「豊後犬飼大野川フェスティバル」など、多くのイベントの運営に参画しています。
このような活動を通して、みなさんが思う豊後大野市の魅力とは?
「まずは人の魅力。都会にいれば通りすがりの人と話すことがないけど、豊後大野市に何度か行くだけで顔を覚えてくれ、お店の方が寄って行かない?と声をかけてくれます。交流するたびに絆のようなものが深まる気がしています」。
「椎茸ももちろんですが、自然の素晴らしさを感じています。原尻の滝、犬飼石仏、沈堕の滝など挙げればキリがないですね!」
「やっぱり人。イベントを成功させるためには地域の人の協力はなくてはならないもの。快く協力してくれる人が豊後大野市には沢山います」。
たくさんの人たちと触れ合うことで大変なこともありますが、接することでしか感じられない温かさを感じているといいます。確かに、家族や友達同士だけでは感じられないものがあることはボランティア活動の醍醐味のひとつかもしれません。
このような活動は彼らが社会人になる上でも、とっても大事な経験となっているはずですね。
人間力を高めるという意味が込められたこのプロジェクト。
では、学生のみなさんが思う「人間力」、そして活動を通して身に付けていきたいこととはどんなことなのでしょうか?
「人間力は、人として絶対に必要な力。それはコミュニケーション能力だったり、行動力、人に物事を伝えていく力だと思います。これから社会に出れば知らない人ばかりなので、生活して行く上で必要な力を、「人間力育成センター」を通してもっと身に付けて行きたいです」。
「自分たちの案を率先して実行する、自発的な力を付けたくて参加しました。イベントを成功させるには、行動力も大事だけど、計画力も大事。私はいつもギリギリで行動してしまうので(笑)もっと頑張っていきたいです!」
「今までチームで行動するということがありませんでした。仲間にも地域の方にも本当に色んな意見があって、それぞれに理由がある中で自分の意見を出していけるようになれればと思っています」。
「このプロジェクトで学んでいることを全部自分に取り込んで、自分自身の魅力にしていきたい。大学生活の中でもそれを活かして、自分を表現する力にできればと思っています」。
みなさん、まだ2年生ながら本当に立派です!…私が同じ頃、こんなことは考えたことなどありませんでしたね、恥ずかしながらm(__)m
最後に、みなさんの夢を教えて下さい!
「地域の方の意見を聞いて実現できるような公務員になりたいので、この活動も絶対に役立てる気がします」。
「設計士!施主さんとしっかり話せるコミュニケーション能力を養っています!w」
「航空科なので整備士か製造の道へ。自分から発信していくこと、構想力やアイディアを出す力が身に付いているような気がしています」。
「街作りや都市計画に興味があります!建物や街の景観を作ったり改善もしたいので、地域の方々とのコミュニケーションは絶対ですね。地域を知ることが大切なので、このプロジェクトで学んでいることはいずれ自分にとって大切なものになると思っています」。
「インテリアデザインか工業デザイナー!“デザインをすることは、問題を解決すること”という言葉を聞いたことがあり、地域の課題を解決するということにも繋がると思っています」。
(左から、調菜月さん、蓮井百音さん、堀江紗綾さん、賀原晶子さん、村田岳彦さん)
このプロジェクトを通じて、自分から動く積極性や仲間とのチームワークがそれぞれの力になっています。社会人への一歩を踏み出す前に、このような経験をすることは学生のみなさんにとっての財産となるはず。実は今日お話を聞かせてくれた5人は全員大分県出身ではありません。県外から来ていながらも、こんなにも大分県のことを考えてくれているなんて感無量です!
(中には、卒業後も大分県で頑張りたい!豊後大野市とのつながりを続けていきたいという方も(ToT)感激…!)
みなさんも1度、自分が暮らす街について考えてみませんか?我が町の魅力を再発見、できるかもしれませんね♡
- NBU日本文理大学
-
公式サイト
http://www.nbu.ac.jp
- NBU日本文理大学 人間力育成センター
WRITER
- 塩月 なつみ記事一覧
かぼすポン酢をこよなく愛する生粋の大分女。美味しいものが大好きで、おなかがすくと途端に不機嫌になります。大分トリニータを中心に、企業や観光、飲食などオールジャンルで取材撮影中!