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おおいたをたのしむ

2019年03月15日

生牡蠣ちゅるり。「くにさきOYSTER」
安全と人気の理由とは!

美味しいですよねえ、牡蠣。
焼いてもよし、蒸してもよし、揚げてもよし。

と牡蠣の話をしておきながら、実は私、「生牡蠣」は未体験。
「万が一お腹痛くなったらどうしよう」と思うと、どうしてもチャレンジできていなかったのです。

そんな中、大分は国東半島で育てられている「くにさきOYSTER」の存在を耳にすることに。
「くにさきOYSTER」は生牡蠣専門として全国に出荷しているにもかかわらず、創業以来一度も事故をおこしていないという凄い牡蠣なのです。

取材して分かったのは、安全性だけでなく、その美味しさや見た目の美しさへのこだわりなど、一つひとつに「すごい…!」がいっぱい詰まっているということ。
全国のオイスターバーや飲食店から注文がくるというのも頷けます…!

今回は「くにさきOYSTER」に日々愛情を注ぐ、国東市の地域おこし協力隊の根本さんに、美味しさの秘密や魅力をお伺いしてきました!

くにさきOYSTER

左が東京から移住された協力隊の根本さん。ご実家は魚屋さんで一次産業に関わりたいと思っていたそうです。

くにさきOYSTERってここまですごいの…!!

牡蠣の養殖風景をご覧になったことがある方はイメージあるかもしれませんが、一般的に牡蠣は紐につるし時期がきたら引き上げる方法で養殖が行われています。
紐につるした牡蠣は海の中でどんどん大きくなってくれるので、時期になったらそのまま収穫ができるのです。

それに対して「くにさきOYSTER」はシングルシードという養殖方法で行われています。

このシングルシードとは、特殊なカゴの中で牡蠣を大切に育てる方法のこと。
なんでも日本では数少ない貴重な養殖方法なんだとか。

くにさきOYSTER

丁寧に説明をしてくださる根本さん

「牡蠣をカゴの中で育てるため、付着物がつきにくくなるんです」と根本さん。

自由に動けることで牡蠣同士がぎゅうぎゅうにぶつかり合うこともなく、また付着物を極力つかせないことで雑味が少ない美味しい牡蠣になるそうです。

くにさきOYSTER

このカゴの大きさに対して入っているのはこれだけ

また「くにさきOYSTER」は殻の形が美しいことでも評判なのですが、その秘密がこのカゴに。
カゴには浮き輪のようなものがついており、干潮と満潮を上手に利用することでカゴの中が動くような仕組みになっています。

波に揺られることで中の牡蠣が動き、適度に先端が削れるため綺麗なカップ型に成長するのだそうです。(すごい…!)

くにさきOYSTER

この小さく丸みを帯びている形はもはや芸術品…!

牡蠣はこの干潟である程度の大きさまで育てられたあと、干潟から沖合に車で運び、その後船に乗せ、養殖場所を移動し更に育てられていきます。

移動させるだけでも重く大変…!干潮や満潮の時刻に合わせて早朝から作業を行う日もあるそうです。

牡蠣が美味しく美しく大きくなるまでに、手間が惜しみなくかけられているのですね。

くにさきOYSTER

早朝の干潟の様子。美しい…

魅力は味や見た目だけじゃない!

美味しさや綺麗さが目立ちますが、くにさきOYSTRの魅力はなんといっても安全性。

育てている海域の水質と牡蠣は、2週間に一度定期検査を実施。
また水揚げされた後は精密ろ過海水を20時間掛け流し、細かい雑菌等を洗い流す浄化作業が行われています。

極めつけは出荷前。なんと検査結果が出るまで浄化された綺麗な海水の水槽にストックしておくとのこと。

「くにさきOYSTER」は収穫ロットごとに、基準値以下で生食での安全が確認されたものだけが出荷されています。

くにさきOYSTER

贈答品用は中に軍手や専用ナイフが入っており、すぐに食べられる心配りの嬉しさ

「出荷開始以来、4年間で累計35万個以上出荷していますが牡蠣を起因とする食中毒の報告は一件もありません。ここまでやっているところは中々ないですね」と根本さん。
創業から安全を守り続けているのには、このような徹底した安全管理へのこだわりがあるからなのですね。

くにさきOYSTER

地域のおばあちゃんたちも大活躍

そして気になるのは、なんといってもその牡蠣の味ですよね。

一言で言うなれば、贔屓目なしにとっっっても美味しいです…!(本当に!!)

くにさきOYSTER

レモンやカボスなどの柑橘との相性も抜群

磯の香りがいっぱいに広がるけれど、これが臭みがなくとっても爽やか。
ぷりっとした身がたまらなく、スッキリとしていて美味しさの余韻が食べ終わっても続きます。(東京の銀座などの一流店のシェフが惚れ込む味わいなのも納得です)

美味しさの秘密を伺うと
「シングルシードの養殖方法と、あとはやはり国東の海の綺麗さですね。くにさきOYSTERは世界農業遺産に指定されている山から流れる海水との海域で育てられていますから」と根本さん。

くにさきOYSTER

底まで透き通っている綺麗な国東の海

12月〜1月はスッキリして香りが強く、2月〜4月中旬は甘みやうまみが強まり、4月下旬はクリーミーさが強まり…と同じ「くにさきOYSTER」ですが時期によって味が変化するそうです。(これまた何度でも食べたくなってしまいますね…)

国東に今までなかった「牡蠣」という水産業。新たな地域の特産が地域振興に。

「温暖化の影響など色々な理由がありますが、国東の漁獲量は年々減ってしまっています。国東の水産業を守っていくためにも、牡蠣の養殖は非常に大切な位置づけになってくると思っています」と根本さん。

今までの獲る漁業だけに頼らず、このような育てていく水産業へ。今後の日本の水産業へも大きい役割を担っているのが「くにさきOYSTER」なのです。

くにさきOYSTER

育てる水産業へ

最後に根本さんに今後について伺いました。

「国東ってなかなか読めないじゃないですか(笑)。食としてのチャンネルとして、このくにさきOYSTERを通じて国東が全国に出ていくのはいいことだと思います。観光協会と一緒に、食からインバウンドも含め全国に広めていきたいですね」

ちなみに最近はメディアへの露出もあり、県内だけでなく全国に徐々にお客さんが増え、認知が広がってきているそうです。
基本的に一般販売はしていませんが、国東市のふるさと納税の返礼品になっています。
空港や道の駅むさしなどでの予約販売やイベント時の販売などはあるそうなので、公式ホームページをチェックしてみてください!

くにさきOYSTER

くにさきOYSTERは4月頃まで楽しめますよ

国東の海の味がまるっと安全に楽しめるくにさきOYSTER。
ぜひ一度、そこまでの過程に想いを馳せながら生でちゅるりと食べてみてください!

ちなみに取材の途中に「シカメガキってご存知ですか?」と根本さん。
聞けば7月から8月上旬の間のみに販売される、出荷まで2,3年かかる希少価値の高い牡蠣なんだとか。日本国内ではほとんど生産されておらず、その味はもう絶品とのこと。
一粒でお酒3杯くらい飲めるそうですよ…20歳以上の方はぜひ!

くにさきOYSTER

WRITER

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    東京のはじっこ生まれ。ライター・編集業をしながら2年間全国を放浪したのち、2016年にとにかくご縁があった大分県にお引越し。現在は中津市にある小さい森のキャンプ場「バルンバルンの森」の企画や広報を担当。日々おおいた暮らしを満喫中。

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