おおいたをたのしむ
2019年12月13日
20年の時を経て生まれたこだわりの日本酒
最近ではラベルがかわいいものやスパークリングで飲みやすいものも増え、女性にも人気の『日本酒』。
海外でも和食人気と相まって、『SAKE』人気が高まってきています。
大分県にも日本酒を作る蔵元がいくつかありますが、今回は20年の休止期間を経て復活した宇佐市の『小松酒造場』に行ってきました。
明治創業の歴史ある酒蔵
お話を聞いたのは6代目蔵元杜氏の小松潤平さんです。
ひと目で歴史が感じられる建物ですが、酒蔵は明治元年創業。151年の歴史があります。
店舗を含む母屋も昭和初期に建てられたものだとか。
子供の頃から身近にあった日本酒作り。小松さんが11歳の頃までは実家で作られていましたが、それ以降自社製造を休止します。
再開するかはわからない状態でしたが、東京農業大学の醸造学科に進学。そこでお酒を含む発酵食品全般について学びました。
大学を卒業後、滋賀と高知で7年間酒造りを修行。大分に帰郷して11年になります。
「今まで使ってなかった酒蔵の再建はめちゃくちゃ大変でしたね……。 一番大変だったのは資金集めでした。地元の銀行を通して大分県の経営革新支援制度を利用しました。産業創造機構のセミナーに行ったり、最初は大分県の支援制度でかなり助かりました。周りに力を貸してくれる人たちがいてどうにかスタートを切ることができました」。
大分の米と水で生まれる酒
小松酒造場で作られている『豊潤』。
みなさん、このラベルにある『大分三井』、知ってますか?
ちなみに『おおいたみい』と読みます。私は初めて聞きました。
大分のお米の品種で思い浮かぶのは『大分ヒノヒカリ』かと思いますが、『大分三井』は以前大分県全域で栽培されていた食用米。
聞いたことがないのも当然で、大粒で栽培が難しいことから昭和40年代以降に一度姿を消していた品種なんです。
「一握り残っていた種籾から農家の同級生と復活栽培に取り組みました。古い品種で粘りが少ないため、食べるよりはお酒に適しているんじゃないかと思います」。
蔵の復活だけでなく、お米の復活までとは!とにかく小松さんのこだわりが詰まったお酒を試飲させていただきました。すっきりとした辛口ですが甘味もあり、みずみずしさが感じられ、ホントに美味しいお酒でした♥
美味しさの秘密は酒造りにはかかせない水にもありました。
「仕込みに使っている水は敷地内にある井戸水です。海が近いので中硬水でミネラル分が豊富。魚介類とも相性がいいと思います。豊潤はお米の甘味もあるけども、後切れがすごくいいのが特徴なんです。ワインと同じように、和食だけでなくいろんな料理との相性を楽しんでもらいたいですね」。
ここから大分の良さを広めたい
県外での生活も長かった小松さんですが、外にでたことで気づいた大分の良さがあるそう。
「大分はなんといっても食べ物が美味しいと思います。飲食業の人たちも口を揃えて食材に恵まれていると言ってますね。
大分の良さを全国、海外に広めていきたいです。そしてたくさんの人が大分に来てくれるとうれしいと思います」。
復活した蔵から生まれた『豊潤』。大学の恩師が豊前豊後の『豊』に小松さんのお名前 潤平の『潤』を合わせつけられました。豊かに潤うお酒という意味が込められています。
生産は基本的にはお父様と二人。家族で醸しだされる量は少ないですが、復活したからこそここで生み出される奇跡の美味しい日本酒。
日本、そして海外に『豊潤 Houjun』が広まるように応援しています!
- 株式会社小松酒造場
WRITER
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美味しいもの、猫、温泉、旅行が好きです。子供のころは久住の大自然の中で育ちました。福岡に住んだこともちょこっとあり。大分の行ってないところ&食べていないものを発掘中。